モデルを用いた腹腔鏡下腎盂形成術の机上トレーニング

腹腔鏡下腎盂形成術は成人の腎盂尿管移行部狭窄症に対する標準術式の一つとなっている.しかしながら腎盂・尿管の吻合を意識した腹腔鏡下での腎盂・尿管の切開や体腔内での縫合操作など,腹腔鏡下腎盂形成術は泌尿器科腹腔鏡下手術の中でもやや難易度の高い手術に分類される.そのため,比較的経験の浅い術者が技術を習得するには,術前のdry boxやsimulatorを用いたトレーニングが重要となる.これまでいくつかのモデルが報告されているが,本稿ではトロント小児病院から報告されたゴム風船とピンポン玉,およびペンローズドレーンも用いた腹腔鏡下腎盂形成トレーニングモデルを用いて,トレーニングの実際とその結果について報...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 26; no. 2; pp. 211 - 215
Main Authors 守屋, 仁彦, 野々村, 克也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 01.09.2013
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ISSN2186-1889
2187-4700
DOI10.11302/jsejje.26.211

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Summary:腹腔鏡下腎盂形成術は成人の腎盂尿管移行部狭窄症に対する標準術式の一つとなっている.しかしながら腎盂・尿管の吻合を意識した腹腔鏡下での腎盂・尿管の切開や体腔内での縫合操作など,腹腔鏡下腎盂形成術は泌尿器科腹腔鏡下手術の中でもやや難易度の高い手術に分類される.そのため,比較的経験の浅い術者が技術を習得するには,術前のdry boxやsimulatorを用いたトレーニングが重要となる.これまでいくつかのモデルが報告されているが,本稿ではトロント小児病院から報告されたゴム風船とピンポン玉,およびペンローズドレーンも用いた腹腔鏡下腎盂形成トレーニングモデルを用いて,トレーニングの実際とその結果について報告する.このモデルを用いたトレーニングは安価で手軽であり,単純な切開や結紮の繰り返しを行うトレーニングに比べて継続するモチベーションが保ちやすく,吻合部の状態が確認できること,時間を計測することなどにより上達が確認できることなどから,経験の浅い術者が腹腔鏡下腎盂形成術を始めるに当たり有用な方法であると思われる.今後,このようなモデルを用いたトレーニングの教育プログラムなどを作成することにより,さらなる腹腔鏡下腎盂形成術の普及が期待される.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.26.211