沖縄県で生息が確認されたネッタイトコジラミ

「はじめに」ネッタイトコジラミCimex hemipterus (Fabricius, 1803) はtropical bedbugとも呼ばれ, 世界の熱帯, 亜熱帯地方に広く分布し, トコジラミC. lectularius Linnaeus, 1758同様, ヒトに刺咬被害を起こす家屋害虫である (大森, 1935). ネッタイトコジラミは, 特殊な場合を除いて温帯あるいは寒帯には生息せず, 日本では沖縄県那覇市にて発生が報告されているものの, 日本本土では恒常的な発生が確認されていない (大森, 1935). 上村 (1974) は, 兵庫県神戸市の港湾地域でトコジラミとネッタイトコジラミ...

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Published inMedical Entomology and Zoology Vol. 67; no. 4; pp. 227 - 231
Main Authors 中村, 春美, 藤井, 啓一, 小松, 謙之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本衛生動物学会 25.12.2016
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ISSN0424-7086
2185-5609
DOI10.7601/mez.67.227

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Summary:「はじめに」ネッタイトコジラミCimex hemipterus (Fabricius, 1803) はtropical bedbugとも呼ばれ, 世界の熱帯, 亜熱帯地方に広く分布し, トコジラミC. lectularius Linnaeus, 1758同様, ヒトに刺咬被害を起こす家屋害虫である (大森, 1935). ネッタイトコジラミは, 特殊な場合を除いて温帯あるいは寒帯には生息せず, 日本では沖縄県那覇市にて発生が報告されているものの, 日本本土では恒常的な発生が確認されていない (大森, 1935). 上村 (1974) は, 兵庫県神戸市の港湾地域でトコジラミとネッタイトコジラミを確認しているが, これらは南方地域との貿易によって侵入したものと推測している. しかし, それ以降, 日本国内での発生は報告されておらず, 沖縄県においても, 岸本 (1999), 岡野ら (2007) の報告にはトコジラミも含めて記録が存在しない.
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.67.227