中学生における側腹部筋厚の発育―アロメトリー法を用いて

本研究の目的は中学生の側腹部筋厚全体の筋厚の発育様式と外腹斜筋(external oblique;EO),内腹斜筋(internal oblique;IO),腹横筋(transversus abdominis;TrA)の個別の筋厚の発育様式の違いを明らかにすることを目的とした.対象は地域クラブチームに所属する中学生191 名で,超音波画像診断装置を用いて右側のEO,IO,TrA の筋厚を測定した.身長で5cm ごとの階級に分類し,身長(x)と側腹部筋(y)のアロメトリー式y=bxa を算出した.その後直線式を算出し両者が複数の直線で表される場合,隣接する直線の交点を変移点とした.変移点はアロメ...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 31; no. 3; pp. 460 - 466
Main Authors 前道, 俊宏, 坂槙, 航, 筒井, 俊春, 鳥居, 俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床スポーツ医学会 31.08.2023
日本臨床スポーツ医学会
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ISSN1346-4159
2758-3767
DOI10.57474/jjcsm.31.3_460

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Summary:本研究の目的は中学生の側腹部筋厚全体の筋厚の発育様式と外腹斜筋(external oblique;EO),内腹斜筋(internal oblique;IO),腹横筋(transversus abdominis;TrA)の個別の筋厚の発育様式の違いを明らかにすることを目的とした.対象は地域クラブチームに所属する中学生191 名で,超音波画像診断装置を用いて右側のEO,IO,TrA の筋厚を測定した.身長で5cm ごとの階級に分類し,身長(x)と側腹部筋(y)のアロメトリー式y=bxa を算出した.その後直線式を算出し両者が複数の直線で表される場合,隣接する直線の交点を変移点とした.変移点はアロメトリー係数a の値が1 以上変化した点とした.側腹部筋のアロメトリー係数a は1 つの変移点をもつ2 相の直線で表され,それぞれアロメトリー係数a は1.28,3.42 で変移点は168.8cm であった.EO とIO は2 つの変移点をもつ3 本の直線で表され,EO のアロメトリー係数a は2.58,1.56,2.76 で変移点は142.0cm,171.3cm となった.IO は0.82,2.05,4.55 で変移点は157.4cm,170.4cm となった.TrA は1 つの変移点をもつ2 本の直線で表され,-1.53,1.56 で変移点は145.3cm となった.このことから,体幹を安定させる作用をもつTrA は早期に発育することが考えられた.
ISSN:1346-4159
2758-3767
DOI:10.57474/jjcsm.31.3_460