ACL損傷の予防に向けて開発した両脚弾性ストラップの着地姿勢に対する制御効果 ―片脚弾性ストラップとの比較

(目的)ACL 損傷の予防に向けて開発した片脚弾性ストラップは,その発生機序であるKnee-in の抑制効果を示したが,体幹の側屈が増大した.そこで新たに考案した両脚弾性ストラップ装着による体幹と下肢関節角度の制動効果を,片脚弾性ストラップとの比較から明らかにした.(対象と方法)Knee-in を呈する女子大学生11 名を対象とした.両脚弾性ストラップ,片脚弾性ストラップ,装着の3 条件における着地姿勢を比較した.30cm 台からの片脚着地動作を5 回実施し,三次元動作解析装置(Vicon Nexus)にて接地前(-40ms),接地時,接地後40~200ms(40ms 毎)における体幹の側屈と...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 32; no. 2; pp. 247 - 254
Main Authors 成, 俊弼, 木村, 佳記, 森下, 聖, 小柳, 磨毅, 越野, 八重美, 境, 隆弘, 三浦, 大祐, 向井, 公一, 中野, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床スポーツ医学会 30.04.2024
日本臨床スポーツ医学会
Subjects
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ISSN1346-4159
2758-3767
DOI10.57474/jjcsm.32.2_247

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Summary:(目的)ACL 損傷の予防に向けて開発した片脚弾性ストラップは,その発生機序であるKnee-in の抑制効果を示したが,体幹の側屈が増大した.そこで新たに考案した両脚弾性ストラップ装着による体幹と下肢関節角度の制動効果を,片脚弾性ストラップとの比較から明らかにした.(対象と方法)Knee-in を呈する女子大学生11 名を対象とした.両脚弾性ストラップ,片脚弾性ストラップ,装着の3 条件における着地姿勢を比較した.30cm 台からの片脚着地動作を5 回実施し,三次元動作解析装置(Vicon Nexus)にて接地前(-40ms),接地時,接地後40~200ms(40ms 毎)における体幹の側屈と前傾角度,遊脚側の股関節外転角度,接地側の股関節外転・屈曲角度,膝関節外反・屈曲角度および下腿前傾角度を計測し,各条件間での比較を行った.(結果)両脚弾性ストラップは,片脚弾性ストラップと装着に比べて体幹側屈角度が減少し,遊脚側の股関節外転角度が増大した.両脚弾性ストラップと片脚弾性ストラップは装着に比べ,接地側の股関節外転角度が増大し,膝関節外反角度が減少した.また,ストラップの装着により接地前と接地時の股関節と膝関節の屈曲および体幹と下腿の前傾角度が減少したが,接地後40ms 以降には差がなかった.(結語)考案した両脚弾性ストラップは,片脚着地時にKnee-in と体幹側屈を抑制した.
ISSN:1346-4159
2758-3767
DOI:10.57474/jjcsm.32.2_247