運動イメージ想起方法の違いが運動関連領野の脳血流変化に及ぼす影響

「I. はじめに」運動イメージ(motor imagery:MI)とは, 脳内で運動または種々の感覚情報を想起・生成することである. 機能的核磁気共鳴断層撮影装置(functional magnetic resonance imaging:fMRI)による脳イメージング研究では, MI実施時には実際の運動を行った時と同じ部位の運動関連領野が活性化されることが報告されている. また, MIを用いた治療効果についても報告されている. Pageらは, 一年以上経過した慢性脳血管障害患者を対象に, MIの有無による治療効果を比較し, MIによりパフォーマンスが向上することを報告した. このように, 脳...

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Published in日本基礎理学療法学雑誌 Vol. 19; no. 2; pp. 72 - 80
Main Authors 宮口, 翔太, 高井, 遥菜, 大西, 秀明, 丸山, 祐一, 椿, 淳裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本基礎理学療法学会 03.08.2016
Japanese Association of Physical Therapy Fundamentals
Subjects
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ISSN2186-0742
2434-0731
DOI10.24780/jptf.19.2_72

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Summary:「I. はじめに」運動イメージ(motor imagery:MI)とは, 脳内で運動または種々の感覚情報を想起・生成することである. 機能的核磁気共鳴断層撮影装置(functional magnetic resonance imaging:fMRI)による脳イメージング研究では, MI実施時には実際の運動を行った時と同じ部位の運動関連領野が活性化されることが報告されている. また, MIを用いた治療効果についても報告されている. Pageらは, 一年以上経過した慢性脳血管障害患者を対象に, MIの有無による治療効果を比較し, MIによりパフォーマンスが向上することを報告した. このように, 脳活動や運動パフォーマンスの変化から, MIは身体機能の回復を促す可能性があり, リハビリテーションに応用することは有益であるとされている. しかし, イメージ能力や方略に個人差があり, MIの教示や鮮明性を高める手段の検討が必要との指摘もある.
ISSN:2186-0742
2434-0731
DOI:10.24780/jptf.19.2_72