高校運動部活動における心理社会的スキルの日常生活への般化 3 時点での交差遅れ効果モデルによる検討
「I 問題」 青少年がスポーツ活動を行う主な場の1つに運動部活動がある. 生徒が運動部活動を行う意義については様々な見方があるものの(例えば, 清水, 2006; 運動部活動の在り方に関する調査研究協力者会議, 2013), 概して, 参加者が生涯にわたって健康であるための幅広い人間形成を行うことにあるといえる. そして, その効果としては身体的な効果に加えて, 心理社会的な効果も大いに期待されている. 例えば, 運動部活動に参加することによって, 他者を尊重し他者と協同する精神, 公正さと規律を尊ぶ態度や克己心, それに実践的な思考力や判断力等を育むことが期待されている(運動部活動の在り方に...
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Published in | 体育学研究 Vol. 63; no. 2; pp. 563 - 581 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本体育学会
2018
日本体育学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0484-6710 1881-7718 |
DOI | 10.5432/jjpehss.17084 |
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Summary: | 「I 問題」 青少年がスポーツ活動を行う主な場の1つに運動部活動がある. 生徒が運動部活動を行う意義については様々な見方があるものの(例えば, 清水, 2006; 運動部活動の在り方に関する調査研究協力者会議, 2013), 概して, 参加者が生涯にわたって健康であるための幅広い人間形成を行うことにあるといえる. そして, その効果としては身体的な効果に加えて, 心理社会的な効果も大いに期待されている. 例えば, 運動部活動に参加することによって, 他者を尊重し他者と協同する精神, 公正さと規律を尊ぶ態度や克己心, それに実践的な思考力や判断力等を育むことが期待されている(運動部活動の在り方に関する調査研究協力者会議, 2013). このような, 参加者の対人関係や自己コントロールに関わる能力を高められることは, 人格形成に寄与するスポーツ活動の心理社会的効果といえる. とりわけ, 高等学校の運動部活動に注目すると, 高校生は発達段階において青年期にあたり, 精神的な側面では子供から大人への移行期にある(猪俣, 2011). |
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ISSN: | 0484-6710 1881-7718 |
DOI: | 10.5432/jjpehss.17084 |