近位脛腓関節不安定症に対しcortical suspensory fixation devicesによる治療を行った1 例

(緒言)近位脛腓関節不安定症に対しTightRope を用いた治療を行い良好な経過を得たので報告する.(症例)18 歳男性,サッカー部.試合中,競り合いの着地の際に膝を強打した.近医で後十字靭帯部分損傷と診断され保存加療するも右膝痛が持続し受傷後3 ヶ月で当院に紹介受診となった.近位脛腓関節ストレス撮影で左右差を認め,近位脛腓関節不安定症と診断しTightRope を用いて近位脛腓靭帯再建術を行った.術後2 ヶ月でランニング,半年で試合復帰した.(考察)近位脛腓関節不安定症は稀な疾患で,診断基準,治療は定まっていない.過去の報告で総腓骨神経の放散痛や全身性関節弛緩と関連が示唆されているが本症例...

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Bibliographic Details
Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 31; no. 3; pp. 515 - 520
Main Authors 長瀬, 寅, 岩渕, 龍彦, 立石, 智彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床スポーツ医学会 31.08.2023
日本臨床スポーツ医学会
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ISSN1346-4159
2758-3767
DOI10.57474/jjcsm.31.3_515

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Summary:(緒言)近位脛腓関節不安定症に対しTightRope を用いた治療を行い良好な経過を得たので報告する.(症例)18 歳男性,サッカー部.試合中,競り合いの着地の際に膝を強打した.近医で後十字靭帯部分損傷と診断され保存加療するも右膝痛が持続し受傷後3 ヶ月で当院に紹介受診となった.近位脛腓関節ストレス撮影で左右差を認め,近位脛腓関節不安定症と診断しTightRope を用いて近位脛腓靭帯再建術を行った.術後2 ヶ月でランニング,半年で試合復帰した.(考察)近位脛腓関節不安定症は稀な疾患で,診断基準,治療は定まっていない.過去の報告で総腓骨神経の放散痛や全身性関節弛緩と関連が示唆されているが本症例では認めなかった.スクリューでの関節固定では,荷重によるスクリュー折損のリスク,腓骨骨切りと抜釘が必要であるが,TightRope はmicro motion を許容し生理的な靭帯再建に近く低侵襲で有効な手技であった.
ISSN:1346-4159
2758-3767
DOI:10.57474/jjcsm.31.3_515