気管支喘息の増悪対策

「緒言」気管支喘息(以下, 喘息)の本態は気道の慢性炎症であると定義される. その炎症には炎症細胞, 気道構成細胞, 様々な液性因子が関与するため多様な表現型を有し, 増悪の要因も多岐にわたる. 喘息の管理目標は, 良好な生命予後を見据えた症状のコントロールと将来のリスク回避であり, その達成に増悪予防が必要となる. 喘息の増悪とは, 平時に比して明らかな特徴的呼吸器症状が増強し, 治療の強化・変更を要する状態を指し, いわゆる発作である急性増悪を含む. 増悪に対する対策について, 予防の観点から症例提示を交えて総説する. 「気管支喘息とは」喘息は, 「気道の慢性炎症を本態とし, 変動性を持っ...

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Published inJournal of Clinical Physiology Vol. 53; no. 3; pp. 89 - 92
Main Author 森川, 美羽
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床生理学会 01.08.2023
Japanese Society of Clinical Physiology
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ISSN0286-7052
2435-1695
DOI10.34363/jocp.53.3_89

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Summary:「緒言」気管支喘息(以下, 喘息)の本態は気道の慢性炎症であると定義される. その炎症には炎症細胞, 気道構成細胞, 様々な液性因子が関与するため多様な表現型を有し, 増悪の要因も多岐にわたる. 喘息の管理目標は, 良好な生命予後を見据えた症状のコントロールと将来のリスク回避であり, その達成に増悪予防が必要となる. 喘息の増悪とは, 平時に比して明らかな特徴的呼吸器症状が増強し, 治療の強化・変更を要する状態を指し, いわゆる発作である急性増悪を含む. 増悪に対する対策について, 予防の観点から症例提示を交えて総説する. 「気管支喘息とは」喘息は, 「気道の慢性炎症を本態とし, 変動性を持った気道狭窄による喘鳴, 呼吸困難, 胸苦しさや咳などの臨床症状で特徴づけられる疾患」と定義される. 慢性気道炎症の状態にアレルゲン, 気道感染, たばこや冷気などの環境刺激など様々な刺激が加わり炎症の急性増悪を来し, いわゆる発作と呼ばれる状態を引き起こす.
ISSN:0286-7052
2435-1695
DOI:10.34363/jocp.53.3_89