「無気力試合」の問題性 「失敗した試合」に関する論議を参考として
「I 緒言」 2016(平成28)年に開催されたリオデジャネイロ五輪において, バドミントン女子ダブルスで金メダルを獲得した高橋礼華・松友美佐紀組は, 五輪前に開催されたアジア選手権においても優勝した(産経新聞, 2016). 決勝は, 日本の福万尚子・与猶くるみ組との対戦であり, 高橋礼華・松友美佐紀組が敗北すれば, リオデジャネイロ五輪への出場枠を福万・与猶組が獲得するという状況にあった. 高橋礼華・松友美佐紀組は既に, 五輪への出場権を獲得していた. 日本チームの中島コーチは2組を五輪に行かせたかったが, 絶対にずるはせず, スポーツマンシップを壊すわけにはいかないと語った(産経新聞,...
Saved in:
| Published in | 体育学研究 Vol. 63; no. 2; pp. 539 - 546 |
|---|---|
| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本体育学会
2018
日本体育学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0484-6710 1881-7718 |
| DOI | 10.5432/jjpehss.17141 |
Cover
| Summary: | 「I 緒言」 2016(平成28)年に開催されたリオデジャネイロ五輪において, バドミントン女子ダブルスで金メダルを獲得した高橋礼華・松友美佐紀組は, 五輪前に開催されたアジア選手権においても優勝した(産経新聞, 2016). 決勝は, 日本の福万尚子・与猶くるみ組との対戦であり, 高橋礼華・松友美佐紀組が敗北すれば, リオデジャネイロ五輪への出場枠を福万・与猶組が獲得するという状況にあった. 高橋礼華・松友美佐紀組は既に, 五輪への出場権を獲得していた. 日本チームの中島コーチは2組を五輪に行かせたかったが, 絶対にずるはせず, スポーツマンシップを壊すわけにはいかないと語った(産経新聞, 2016). 優勝した高橋選手は, 試合はやりにくかったが, 自分たちのプレーをする以外になかったと述べた. 「わざと負けることを考えなかったのか」という記者会見での質問に対して, 松友選手は「私たちは五輪の金メダルのために戦っている. |
|---|---|
| ISSN: | 0484-6710 1881-7718 |
| DOI: | 10.5432/jjpehss.17141 |