上部尿路上皮癌の予後に関する術式の影響

上部尿路上皮癌(UTUC)に対する腹腔鏡手術は開放手術と比較して膀胱内再発や生存率に差を認めないと報告されている.一方で,腹腔鏡手術の方が膀胱内再発や予後が不良との報告も散見される. そこで,東北EBMフォーラム研究グループのUTUC症例を集積し,術式による膀胱内再発や予後について検討した.対象は2000年から2011年に東北EBMフォーラム研究グループ参加施設で腎尿管全摘除術を施行した632例,膀胱内非再発率や生存率をKaplan-Meier法で検討した.腹腔鏡手術症例は141例,開放手術症例は491例であった.2年,5年膀胱内非再発率は腹腔鏡群で60%,58%,開放群で65%,58%であっ...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 29; no. 1; pp. 91 - 96
Main Authors 海法, 康裕, 相沢, 正孝, 相馬, 文彦, 庵谷, 尚正, 浪間, 孝重, 荒井, 陽一, 伊藤, 明宏, 三塚, 浩二, 山下, 慎一, 栃木, 達夫, 新宅, 一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 01.04.2016
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ISSN2186-1889
2187-4700
DOI10.11302/jsejje.29.91

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Summary:上部尿路上皮癌(UTUC)に対する腹腔鏡手術は開放手術と比較して膀胱内再発や生存率に差を認めないと報告されている.一方で,腹腔鏡手術の方が膀胱内再発や予後が不良との報告も散見される. そこで,東北EBMフォーラム研究グループのUTUC症例を集積し,術式による膀胱内再発や予後について検討した.対象は2000年から2011年に東北EBMフォーラム研究グループ参加施設で腎尿管全摘除術を施行した632例,膀胱内非再発率や生存率をKaplan-Meier法で検討した.腹腔鏡手術症例は141例,開放手術症例は491例であった.2年,5年膀胱内非再発率は腹腔鏡群で60%,58%,開放群で65%,58%であった.また,2年,5年癌特異的生存率は腹腔鏡群で89%,78%,開放群で86%,75%と術式による差を認めなかった.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.29.91