理学療法士からみた糖尿病患者の運動療法指導に おける現状と問題点

〔目的〕糖尿病患者の運動療法を指導している理学療法士(以下PT)からみた指導の実施状況や問題点について質問紙による調査および検討を行った。〔対象〕日本糖尿病学会認定医が所属する医療施設においてPTが勤務する772施設のPTを対象とした。〔方法〕自記式質問紙を郵送し,回収した。〔結果〕質問紙の回収率は81%。そのうちPTが糖尿病患者の指導を実施している施設は4割未満であった。実施上の主な問題点は「糖尿病は,理学療法の診療報酬の対象とならない」,「動機付けの低い糖尿病患者への効果的な指導が困難」などであった。〔結語〕糖尿病患者への理学療法の施行では,医療保険制度上,実施が容易ではなく,また,指導す...

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Published in理学療法科学 Vol. 25; no. 3; pp. 457 - 462
Main Author 万行, 里佳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2010
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.25.457

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Summary:〔目的〕糖尿病患者の運動療法を指導している理学療法士(以下PT)からみた指導の実施状況や問題点について質問紙による調査および検討を行った。〔対象〕日本糖尿病学会認定医が所属する医療施設においてPTが勤務する772施設のPTを対象とした。〔方法〕自記式質問紙を郵送し,回収した。〔結果〕質問紙の回収率は81%。そのうちPTが糖尿病患者の指導を実施している施設は4割未満であった。実施上の主な問題点は「糖尿病は,理学療法の診療報酬の対象とならない」,「動機付けの低い糖尿病患者への効果的な指導が困難」などであった。〔結語〕糖尿病患者への理学療法の施行では,医療保険制度上,実施が容易ではなく,また,指導する場合は,疾患の特性に配慮することやチームアプローチが重要であることが示された。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.25.457