小児心不全に対する再生医療からのアプローチ
「緒言」2010年7月に15歳未満の小児の臓器提供を可能にした改正臓器移植法が施行された. これにより小児の心臓移植の増加が予想されたが, 2014年12月末時点での15歳未満の脳死臓器提供からの小児心臓移植数は7例と少数にとどまっている. 臓器提供者の不足と2年近くになる長期の移植待機の根本的解決とはなっていないのが実情である. このような背景から小児末期心不全に対してはbreakthroughとなる新しい治療戦略が切望されている. 2011年から岡山大学では自己心臓内幹細胞移植療法の臨床研究を行っており, 第1相臨床研究 (Transcoronary Infusion of Cardiac...
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 50; no. 6; pp. 565 - 575 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2015
日本移植学会 The Japan Society for Transplantation |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.50.6_565 |
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Summary: | 「緒言」2010年7月に15歳未満の小児の臓器提供を可能にした改正臓器移植法が施行された. これにより小児の心臓移植の増加が予想されたが, 2014年12月末時点での15歳未満の脳死臓器提供からの小児心臓移植数は7例と少数にとどまっている. 臓器提供者の不足と2年近くになる長期の移植待機の根本的解決とはなっていないのが実情である. このような背景から小児末期心不全に対してはbreakthroughとなる新しい治療戦略が切望されている. 2011年から岡山大学では自己心臓内幹細胞移植療法の臨床研究を行っており, 第1相臨床研究 (Transcoronary Infusion of Cardiac Progenitor cell infusion in patients with single ventricle physiology : TICAP試験, NCT01273857) により, その安全性と有効性を確認し世界に先駆けて報告した. |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.50.6_565 |