目指すべき体外型カフ付き中心静脈カテーテルの留置手技の詳細

【目的】小児悪性疾患の治療において,当科で留置している体外型カフ付き中心静脈カテーテル(tCVC)の留置術の詳細と合併症との関連について検討した.【方法】当院で20歳未満の悪性疾患患者に対し,留置および抜去を行ったtCVC 87件(57症例)を対象とした.患者背景,合併症の有無,手術手技の詳細,留置期間について後方視的に検討した.【結果】87件中47件(54.0%)は,合併症なく治療終了に伴いtCVCを抜去し,留置期間(中央値)は219日(110~333)だった.一方,合併症を来した40件のうち,閉塞13件(32.5%),カフ脱出/事故抜去12件(30.0%),CRBSI(catheter r...

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Published in日本小児外科学会雑誌 Vol. 60; no. 6; pp. 896 - 902
Main Authors 小山, 千草, 瀬名波, 英子, 竹谷, 健, 日髙, 匡章, 真子, 絢子, 船橋, 功匡, 久守, 孝司, 石橋, 脩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児外科学会 20.10.2024
日本小児外科学会
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ISSN0288-609X
2187-4247
DOI10.11164/jjsps.60.6_896

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Summary:【目的】小児悪性疾患の治療において,当科で留置している体外型カフ付き中心静脈カテーテル(tCVC)の留置術の詳細と合併症との関連について検討した.【方法】当院で20歳未満の悪性疾患患者に対し,留置および抜去を行ったtCVC 87件(57症例)を対象とした.患者背景,合併症の有無,手術手技の詳細,留置期間について後方視的に検討した.【結果】87件中47件(54.0%)は,合併症なく治療終了に伴いtCVCを抜去し,留置期間(中央値)は219日(110~333)だった.一方,合併症を来した40件のうち,閉塞13件(32.5%),カフ脱出/事故抜去12件(30.0%),CRBSI(catheter related blood stream infection)11件(27.5%),出口部感染/肉芽形成4件(10.0%)で,留置期間(中央値)はそれぞれ,118日,57日,107日,213日であった.tCVC先端が気管分岐部頭側にあった場合,合併症を認める頻度が高く(57.7%),そのうち閉塞が有意に多かった(66%,p=0.001).tCVCの種類,同時手術の有無,アプローチ血管,超音波ガイド下穿刺法とカットダウン法の選択,出口部位置において,合併症の有無または合併症の内容との関連性は見いだせなかった.【結論】小児悪性疾患患者に留置するtCVCについて,治療中断につながる予定外抜去を避けるため,留置直後に先端位置が気管分岐部から逸脱していた場合は再留置を積極的に検討すべきである.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.60.6_896