難治性疼痛のリハビリテーション研究

「はじめに」 これまでの疼痛についての理学療法評価/介入研究は, 症例ごとの重症度分類・予後予測・自立度判定・アプローチを発展させてきた. しかしながら, 本稿で取り上げるような「疼痛を有する肢の運動がぎこちない」「患肢が痛くて動かすこともできない」, 「四肢が欠損されているのに痛みを感じる」という症例に対しては, どのような理学療法が最適であるのかは不明確である. このような症例に対する理学療法評価/介入を考える上では, 認知神経科学, 計算論的神経科学, バイオメカニクスなどの基礎研究で確立された計測技術や運動制御モデルの応用が有用である. 本稿では, 基礎研究を参考した疼痛についての理学...

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Published in日本基礎理学療法学雑誌 Vol. 21; no. 1; pp. 69 - 78
Main Authors 住谷, 昌彦, 森岡, 周, 大竹, 祐子, 大住, 倫弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本基礎理学療法学会 18.12.2018
Japanese Association of Physical Therapy Fundamentals
Subjects
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ISSN2186-0742
2434-0731
DOI10.24780/jptf.21.1_69

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Summary:「はじめに」 これまでの疼痛についての理学療法評価/介入研究は, 症例ごとの重症度分類・予後予測・自立度判定・アプローチを発展させてきた. しかしながら, 本稿で取り上げるような「疼痛を有する肢の運動がぎこちない」「患肢が痛くて動かすこともできない」, 「四肢が欠損されているのに痛みを感じる」という症例に対しては, どのような理学療法が最適であるのかは不明確である. このような症例に対する理学療法評価/介入を考える上では, 認知神経科学, 計算論的神経科学, バイオメカニクスなどの基礎研究で確立された計測技術や運動制御モデルの応用が有用である. 本稿では, 基礎研究を参考した疼痛についての理学療法評価/介入研究のプロセスを, 難治性疼痛とされている複合性局所疼痛症候群(Complex Regional Pain Syndrome : CRPS)および幻肢痛(Phantom Limb Pain: PLP)に絞って紹介する.
ISSN:2186-0742
2434-0731
DOI:10.24780/jptf.21.1_69