大腿骨頸部骨折、大腿骨転子部骨折クリニカルパスにおける設定アウトカムと重症度、医療看護必要度AB項目の関係について

「背景」 クリニカルパスに設定するアウトカムは疾患特異的なアウトカムが多く疾患群や症例単位の問題分析に重点が置かれ, アウトカムの設定方法が様々で経験的要素も少なくない. 一方, 診療報酬算定上設定された重症度, 看護必要度AB項目は看護師の介入がいかに必要かを表す指標であり, 言い換えれば患者アウトカムが達成されていないバリアンス状態の程度を評価した指標といえる. 入院時の状態がすでに看護介入を必要とする状態である場合もあり, 絶対的指標というよりも経時的な変化に着目すべき注意点があるものの, 疾患や診療科を問わない汎用的側面をもち横断的な問題分析に適する長所があり, このため病床機能を表現...

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Published in日本クリニカルパス学会誌 Vol. 17; no. 2; pp. 228 - 233
Main Authors 森崎, 真美, 副島, 秀久, 中熊, 英貴, 安楽, 喜久, 右田, みどり, 小妻, 幸男, 町田, 二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本クリニカルパス学会 10.06.2015
日本クリニカルパス学会
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ISSN2187-6592
2436-1046
DOI10.50842/jjscp.17.2_228

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Summary:「背景」 クリニカルパスに設定するアウトカムは疾患特異的なアウトカムが多く疾患群や症例単位の問題分析に重点が置かれ, アウトカムの設定方法が様々で経験的要素も少なくない. 一方, 診療報酬算定上設定された重症度, 看護必要度AB項目は看護師の介入がいかに必要かを表す指標であり, 言い換えれば患者アウトカムが達成されていないバリアンス状態の程度を評価した指標といえる. 入院時の状態がすでに看護介入を必要とする状態である場合もあり, 絶対的指標というよりも経時的な変化に着目すべき注意点があるものの, 疾患や診療科を問わない汎用的側面をもち横断的な問題分析に適する長所があり, このため病床機能を表現する指標として導入されたものと推察される. 両者はアウトカムとバリアンスという表裏の関係にあり, 両者の組み合わせにより様々な粒度のアウトカム・バリアンス分析が可能になるだけでなく, クリニカルパス適用基準やパス設定アウトカムの見直しが可能になると思われる.
ISSN:2187-6592
2436-1046
DOI:10.50842/jjscp.17.2_228