当院における腹腔鏡下膀胱全摘除術の周術期成績
侵襲度の高い膀胱全摘除術が腹腔鏡手術の導入により周術期の侵襲を低減できたか否かを検討した. 【対象】2009/12以降腹腔鏡下膀胱全摘除術を施行した34例を対象とし,それ以前の開腹症例30例と比較検討した.尿路変向法は新膀胱19例,回腸導管13例,尿管皮膚瘻2例であった. 【結果】34例の手術時間は345分,出血量516mLと開放手術よりも有意に少なく76%で無輸血手術が遂行できた.2例で開放移行を要した.術後飲水開始3日,食事5日,在院期間32日は開放手術に比して有意に短かった.G3以上の周術期合併症は15%にみられた.病理は,pT3≦26%,pN+18%,断端陽性9%であり,摘出リンパ...
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Published in | Japanese Journal of Endourology Vol. 26; no. 1; pp. 93 - 97 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本泌尿器内視鏡学会
01.04.2013
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Subjects | |
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ISSN | 2186-1889 2187-4700 |
DOI | 10.11302/jsejje.26.93 |
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Summary: | 侵襲度の高い膀胱全摘除術が腹腔鏡手術の導入により周術期の侵襲を低減できたか否かを検討した. 【対象】2009/12以降腹腔鏡下膀胱全摘除術を施行した34例を対象とし,それ以前の開腹症例30例と比較検討した.尿路変向法は新膀胱19例,回腸導管13例,尿管皮膚瘻2例であった. 【結果】34例の手術時間は345分,出血量516mLと開放手術よりも有意に少なく76%で無輸血手術が遂行できた.2例で開放移行を要した.術後飲水開始3日,食事5日,在院期間32日は開放手術に比して有意に短かった.G3以上の周術期合併症は15%にみられた.病理は,pT3≦26%,pN+18%,断端陽性9%であり,摘出リンパ節個数は22個であった. 【結語】腹腔鏡下手術は,術後合併症発生頻度に差はなかったが,出血が少なく,飲水食事開始が早く,術後回復は良好であった. |
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ISSN: | 2186-1889 2187-4700 |
DOI: | 10.11302/jsejje.26.93 |