未就学時代および学生時代のスポーツ歴と壮年期以降の主観的健康感の関連

目的:本研究は未就学時代および学生時代のスポーツ歴と壮年期以降の主観的健康感の関連を明らかにすることを目的とした。方法:本研究は横断研究である。解析した「スポーツライフ・データ2012」は,2012年に全国の20歳以上の者からスポーツに関する情報を得た調査である。スポーツ歴は未就学,小学生,中学生,高校生,大学生時代,主観的健康感は現在の健康状態についての回答が得られている。解析対象者は30歳以上の者1,714人とし,各時代のスポーツ歴を説明変数,主観的健康感を目的変数としたロジスティック回帰分析を行い,オッズ比を算出した。その際,年齢,都道府県,body mass index,喫煙,職業,現...

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Published in運動疫学研究 Vol. 20; no. 2; pp. 80 - 89
Main Authors 柴田, 陽介, 中村, 美詠子, 尾島, 俊之, 岡田, 栄作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本運動疫学会 30.09.2018
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ISSN1347-5827
2434-2017
DOI10.24804/ree.20.80

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Summary:目的:本研究は未就学時代および学生時代のスポーツ歴と壮年期以降の主観的健康感の関連を明らかにすることを目的とした。方法:本研究は横断研究である。解析した「スポーツライフ・データ2012」は,2012年に全国の20歳以上の者からスポーツに関する情報を得た調査である。スポーツ歴は未就学,小学生,中学生,高校生,大学生時代,主観的健康感は現在の健康状態についての回答が得られている。解析対象者は30歳以上の者1,714人とし,各時代のスポーツ歴を説明変数,主観的健康感を目的変数としたロジスティック回帰分析を行い,オッズ比を算出した。その際,年齢,都道府県,body mass index,喫煙,職業,現在のスポーツ実施,世帯年収を調整した。結果:解析対象者は男性844人,女性870人,平均年齢は53.7歳(標準偏差:14.2歳)であった。良い主観的健康感に対する未就学時代のスポーツ歴ありのオッズ比は男性1.73(95%信頼区間:0.63-4.75),女性2.07(0.42-10.25)であった。小学生・中学生・高校生時代のスポーツ歴のオッズ比は1.00に近くなり,大学生時代のスポーツ歴のオッズ比は男性1.57(0.98-2.53),女性2.39(1.23-4.64)と再び高くなった。結論:大学生時代にスポーツ歴がある壮年期以降の者は,主観的健康感が良いことが明らかになった。
ISSN:1347-5827
2434-2017
DOI:10.24804/ree.20.80