両側進行期の第4腰椎分離症に対する低侵襲スクリュー固定術により早期の競技復帰に至った野球選手の1 例
13歳11か月の男子,野球部だった.初診36日前に腰痛を自覚したが野球を継続した.初診18日前に腰痛が増悪し,第4腰椎分離症の診断で当院紹介受診した.保存療法を提案したが,早期競技復帰の希望が強く保存療法では予後不良となる病態であったため,手術の方針とした.初診後1か月で小皮切のスクリュー固定術を行い,術後は半硬性コルセットを装着した.術後2か月でCT上骨癒合が得られ,競技に復帰した.腰椎分離症に対してはまずは保存的治療を行い,偽関節に至れば手術を行うことが一般的な方針とされている.本症例のように両側進行期の症例に対する早期の手術報告は渉猟しえなかったが,我々は今回早期の競技復帰希望や保存療法...
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Published in | 日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 33; no. 1; pp. 134 - 139 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床スポーツ医学会
2025
日本臨床スポーツ医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1346-4159 2758-3767 |
DOI | 10.57474/jjcsm.33.1_134 |
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Summary: | 13歳11か月の男子,野球部だった.初診36日前に腰痛を自覚したが野球を継続した.初診18日前に腰痛が増悪し,第4腰椎分離症の診断で当院紹介受診した.保存療法を提案したが,早期競技復帰の希望が強く保存療法では予後不良となる病態であったため,手術の方針とした.初診後1か月で小皮切のスクリュー固定術を行い,術後は半硬性コルセットを装着した.術後2か月でCT上骨癒合が得られ,競技に復帰した.腰椎分離症に対してはまずは保存的治療を行い,偽関節に至れば手術を行うことが一般的な方針とされている.本症例のように両側進行期の症例に対する早期の手術報告は渉猟しえなかったが,我々は今回早期の競技復帰希望や保存療法の癒合率を踏まえて手術が望ましいと考え,過去の報告を応用した手術を行なった.両側進行期の腰椎分離症に対する低侵襲スクリュー固定術は早期の競技復帰および骨癒合に有用な治療法である. |
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ISSN: | 1346-4159 2758-3767 |
DOI: | 10.57474/jjcsm.33.1_134 |