女子体操競技選手における膝前十字靭帯再建術後の再断裂と反対側断裂の特徴

女子体操競技選手の膝前十字靭帯再建術(ACLR)後に,再受傷(再建靭帯の再断裂もしくは反対側断裂)した選手の特徴について検討した.ACLR 後競技に復帰した37 名を対象に,再受傷率,再受傷時の年齢・術後経過時期,初回受傷と再受傷時の種目と受傷機転を調査した.再断裂率は8.1%(3 名),反対側断裂率が10.8%(4 名)であり,合わせて再受傷率は18.9%(7 名)であった.術後経過時期はともに,術後平均2 年11 ヵ月であった.種目においては,7 名中6 名が初回受傷種目とは異なる種目で再受傷し,受傷機転は7 名中6 名が初回受傷と同じ着地での受傷,1 名が初回受傷と異なり段違い平行棒の落...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 31; no. 3; pp. 498 - 504
Main Authors 小倉, 誉大, 山浦, 一郎, 梅原, 弘基, 黒川, 純, 内之倉, 真大, 高橋, 謙二, 関口, 貴博, 蟹沢, 泉, 土屋, 明弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床スポーツ医学会 31.08.2023
日本臨床スポーツ医学会
Subjects
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ISSN1346-4159
2758-3767
DOI10.57474/jjcsm.31.3_498

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Summary:女子体操競技選手の膝前十字靭帯再建術(ACLR)後に,再受傷(再建靭帯の再断裂もしくは反対側断裂)した選手の特徴について検討した.ACLR 後競技に復帰した37 名を対象に,再受傷率,再受傷時の年齢・術後経過時期,初回受傷と再受傷時の種目と受傷機転を調査した.再断裂率は8.1%(3 名),反対側断裂率が10.8%(4 名)であり,合わせて再受傷率は18.9%(7 名)であった.術後経過時期はともに,術後平均2 年11 ヵ月であった.種目においては,7 名中6 名が初回受傷種目とは異なる種目で再受傷し,受傷機転は7 名中6 名が初回受傷と同じ着地での受傷,1 名が初回受傷と異なり段違い平行棒の落下で受傷をしていた.女子体操競技選手のACLR 後の再受傷率は他競技と同様の傾向であった.再受傷予防に向けて,再受傷のリスクは復帰直後のみならず復帰後しばらく経過した後にもあること・受傷した種目のみならず全種目での着地に配慮することを患者教育し,そのリスクを十分に配慮して競技復帰をするよう理解させることが重要である.
ISSN:1346-4159
2758-3767
DOI:10.57474/jjcsm.31.3_498