新鮮腰椎分離症における多椎体発症例の特徴

(目的)新鮮腰椎分離症における多椎体発症例の特徴を単椎体症例と比較して検討した.(方法)対象は2015 年3 月から2022 年3 月までに新鮮腰椎分離症と診断された530 例である.多椎体発症例(多椎体群)と単椎体発症例(単椎体群)に分け,2 群間で比較検討した.調査項目は年齢,性別,疼痛自覚から受診までの期間(罹患期間),疼痛自覚からMRI・CT 検査までの期間(検査期間),スポーツ種目,罹患側,椎体高位,病期,骨癒合率とした.単椎体群と多椎体群にて比較検討した(.結果)多椎体群は44 例(8.5%)で,単椎体群は486 例(91.5%)であった.年齢は多椎体群が有意に高かった(p<0.0...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 32; no. 1; pp. 91 - 97
Main Authors 三宅, 秀俊, 渡辺, 知真, 氷見, 量, 石川, 徹也, 杉山, 貴哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床スポーツ医学会 31.01.2024
日本臨床スポーツ医学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1346-4159
2758-3767
DOI10.57474/jjcsm.32.1_91

Cover

More Information
Summary:(目的)新鮮腰椎分離症における多椎体発症例の特徴を単椎体症例と比較して検討した.(方法)対象は2015 年3 月から2022 年3 月までに新鮮腰椎分離症と診断された530 例である.多椎体発症例(多椎体群)と単椎体発症例(単椎体群)に分け,2 群間で比較検討した.調査項目は年齢,性別,疼痛自覚から受診までの期間(罹患期間),疼痛自覚からMRI・CT 検査までの期間(検査期間),スポーツ種目,罹患側,椎体高位,病期,骨癒合率とした.単椎体群と多椎体群にて比較検討した(.結果)多椎体群は44 例(8.5%)で,単椎体群は486 例(91.5%)であった.年齢は多椎体群が有意に高かった(p<0.01).性別,罹患期間,検査期間は両群間に有意差を認めなかった.スポーツ種目では陸上競技が多椎体群4.9%と最も少なかったが,そのうち跳躍種目では多椎体群の割合が高かった.骨癒合を図った症例は478 例で,骨癒合率は多椎体群84.5%,単椎体群86.8%であった.左右の分離部の組み合わせとスポーツ種目との関係についてサッカーは両側例が多く,野球は片側例が多かった(.結語)多椎体群は8.5%で,単椎体群と比較し年齢が高かった.多椎体発症は骨癒合阻害因子ではなかった.
ISSN:1346-4159
2758-3767
DOI:10.57474/jjcsm.32.1_91