鼠径ヘルニア術後に合併した冠攣縮性狭心症の1例

「はじめに」 冠攣縮性狭心症の予後は良好とされているが, 冠攣縮に伴って心臓突然死または失神を来す症例も少なくない. カルシウム拮抗薬内服下でも冠攣縮発作や心室細動(ventricular fibrillation: VF)を発症する場合もある. このような難治性の症例に対する治療について, 現時点では統一された見解がない. 今回, 我々は冠攣縮性狭心症に合併したVFに対して, 繰り返し直流電気除細動(direct current defibrillation: DC)を行うもVFの停止に至らず, 冠動脈への硝酸イソソルビド(isosorbide dinitrate: ISDN)を投与後にDC...

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Published inCIRCULATION CONTROL Vol. 35; no. 1; pp. 41 - 43
Main Authors 岡田, 修一, 長谷川, 豊, 大島, 茂, 佐藤, 泰史, 中村, 紘規, 河口, 廉, 江連, 雅彦, 金子, 達夫, 内藤, 滋人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本循環制御医学会 2014
Japan Society of Circulation Control in Medicine
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ISSN0389-1844
DOI10.11312/ccm.35.41

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Summary:「はじめに」 冠攣縮性狭心症の予後は良好とされているが, 冠攣縮に伴って心臓突然死または失神を来す症例も少なくない. カルシウム拮抗薬内服下でも冠攣縮発作や心室細動(ventricular fibrillation: VF)を発症する場合もある. このような難治性の症例に対する治療について, 現時点では統一された見解がない. 今回, 我々は冠攣縮性狭心症に合併したVFに対して, 繰り返し直流電気除細動(direct current defibrillation: DC)を行うもVFの停止に至らず, 冠動脈への硝酸イソソルビド(isosorbide dinitrate: ISDN)を投与後にDCを施行して洞調律への復帰が可能であった一例を経験した. 症例 症例:62歳, 男性. 主訴:意識消失. 現病歴:7月に心房粗動(atrial flutter: AFL)に対してBepridil hydrochloride 200mg/日処方されたが, 薬剤性QT延長症候群で内服中止となっていた.
ISSN:0389-1844
DOI:10.11312/ccm.35.41