独居認知症高齢者の在宅生活中断までに利用した 社会資源の類型とその特徴

独居認知症高齢者の在宅継続に向けた支援に有用な資料を得るために,在宅生活の中断までに利用した社会資源を類型化し,その特徴を明らかにすることを目的とする。近畿・中国地方の政令指定都市(大阪市を除く)の1,799の居宅介護支援事業所の介護支援専門員を対象に郵送質問紙調査を実施した。在宅生活を中断した独居認知症高齢者の事例を1 つ想定し,事例の属性や利用した社会資源等について尋ねた。回収された584の調査票のうち当該項目に欠損値のない520の資料を用い,クラスター分析を行った。独居認知症高齢者は社会資源により5つのクラスターに類型化され,性別,支援期間においてクラスター間に有意差が確認された。独居認...

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Published in高齢者のケアと行動科学 Vol. 29; pp. 44 - 52
Main Authors 中島, 民恵子, 杉山, 京
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年行動科学会 01.12.2024
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ISSN1880-3474
2434-0553
DOI10.24777/jsbse.29.0_44

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Summary:独居認知症高齢者の在宅継続に向けた支援に有用な資料を得るために,在宅生活の中断までに利用した社会資源を類型化し,その特徴を明らかにすることを目的とする。近畿・中国地方の政令指定都市(大阪市を除く)の1,799の居宅介護支援事業所の介護支援専門員を対象に郵送質問紙調査を実施した。在宅生活を中断した独居認知症高齢者の事例を1 つ想定し,事例の属性や利用した社会資源等について尋ねた。回収された584の調査票のうち当該項目に欠損値のない520の資料を用い,クラスター分析を行った。独居認知症高齢者は社会資源により5つのクラスターに類型化され,性別,支援期間においてクラスター間に有意差が確認された。独居認知症高齢者の約15%は,限定的な社会資源の利用であり支援期間が最も短かった。今後,独居認知症高齢者が十分な社会資源を利用できない要因を明らかにする必要がある。
ISSN:1880-3474
2434-0553
DOI:10.24777/jsbse.29.0_44