左半側空間無視患者54例の訓練効果
[目的]本研究では,症状の改善が認められた左半側空間無視患者の特徴について検討した。[対象]対象は左半側空間無視患者54例である。[方法]左半側空間無視の影響を受けやすい食事,整容,更衣,移乗,車椅子操作の5項目をFIMにて評価し,退院時におけるすべての項目が6点以上のものを改善群,各項目のいずれかが5点以下で,左半側空間無視により何らかの介助を有するものを非改善群とした。これら2群における年齢,発症後期間,訓練内容,訓練期間,上下肢のBrunnstrom stage,体幹機能評価,神経心理学的検査について統計学的検討を行った。[結果]年齢や体幹機能,神経心理学的検査に有意差が認められた。特に...
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Published in | 理学療法科学 Vol. 24; no. 2; pp. 147 - 153 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
理学療法科学学会
2009
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1341-1667 2434-2807 |
DOI | 10.1589/rika.24.147 |
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Summary: | [目的]本研究では,症状の改善が認められた左半側空間無視患者の特徴について検討した。[対象]対象は左半側空間無視患者54例である。[方法]左半側空間無視の影響を受けやすい食事,整容,更衣,移乗,車椅子操作の5項目をFIMにて評価し,退院時におけるすべての項目が6点以上のものを改善群,各項目のいずれかが5点以下で,左半側空間無視により何らかの介助を有するものを非改善群とした。これら2群における年齢,発症後期間,訓練内容,訓練期間,上下肢のBrunnstrom stage,体幹機能評価,神経心理学的検査について統計学的検討を行った。[結果]年齢や体幹機能,神経心理学的検査に有意差が認められた。特に改善群では,左半側空間無視の改善のみならず体幹機能や注意力,構成能力,前頭葉機能において改善が認められた。[結語]左半側空間無視が改善しADLへ汎化するためには,左半側空間無視に対するアプローチのみならず,体幹などの身体機能や注意力などの全般的認知機能に対する包括的なアプローチが必要と考えられた。 |
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ISSN: | 1341-1667 2434-2807 |
DOI: | 10.1589/rika.24.147 |