病院前救急診療活動に従事する看護師の精神的健康に関する研究

病院前救急診療活動(以下PCとする)に従事する看護師の出場前・活動中の心理状態を把握し,精神的健康との関連を検討することを目的として, PCに従事する看護師(所属医療機関の年間出場数50件以上)を対象とした質問紙調査を実施した。調査期間2010年9月末から10月。有効回答率67%(257名中173名)。PCに出場する看護師は,出場前に「どんな現場か気になる」「患者の状態がわからない」「状況が自分の能力を超えているかもしれない」と不安をもつ一方で,出場に使命感を持っていた。活動中にも,6割以上の看護師が使命感を持っていた。精神健康調査票(GHQ-12)で測定された精神的健康度不良群の割合は33....

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 16; no. 5; pp. 649 - 655
Main Authors 稲本, 絵里, 重村, 朋子, 増野, 智彦, 吉野, 美緒, 川尻, 泰樹, 市村, 美帆, 松井, 豊, 横田, 裕行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 2013
日本臨床救急医学会
Subjects
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.16.649

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Summary:病院前救急診療活動(以下PCとする)に従事する看護師の出場前・活動中の心理状態を把握し,精神的健康との関連を検討することを目的として, PCに従事する看護師(所属医療機関の年間出場数50件以上)を対象とした質問紙調査を実施した。調査期間2010年9月末から10月。有効回答率67%(257名中173名)。PCに出場する看護師は,出場前に「どんな現場か気になる」「患者の状態がわからない」「状況が自分の能力を超えているかもしれない」と不安をもつ一方で,出場に使命感を持っていた。活動中にも,6割以上の看護師が使命感を持っていた。精神健康調査票(GHQ-12)で測定された精神的健康度不良群の割合は33.7%であり,予測できない現場状況・患者状態に対する自身の対応能力への不安,活動中の無力感や罪悪感が,精神的健康に関連していた。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.16.649