山梨県における救急救命士による処置拡大の現状
目的:2014年4月1日救急救命士法の改正により拡大された,心肺機能停止前の重度傷病者に対して静脈路確保と輸液,意識障害の傷病者に対する血糖測定と低血糖傷病者に対するブドウ糖溶液の投与に対する山梨県の現状を調査すること。方法:2014年4月1日から2015年3月31日まで山梨県内の拡大処置の実施状況を事後検証票から後ろ向きに調査した。結果:心肺機能停止前の重度傷病者に対する静脈路確保の対象症例は173例であり,低血糖発作症例は79例であった。心肺機能停止前の輸液は,循環血液量減少が70%,心原性が8.1%,アナフィラキシーが6.4%であった。現場出発前の静脈路確保は現場出発後に比較して,現場滞...
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Published in | 日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 19; no. 4; pp. 566 - 570 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床救急医学会
2016
日本臨床救急医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1345-0581 2187-9001 |
DOI | 10.11240/jsem.19.566 |
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Summary: | 目的:2014年4月1日救急救命士法の改正により拡大された,心肺機能停止前の重度傷病者に対して静脈路確保と輸液,意識障害の傷病者に対する血糖測定と低血糖傷病者に対するブドウ糖溶液の投与に対する山梨県の現状を調査すること。方法:2014年4月1日から2015年3月31日まで山梨県内の拡大処置の実施状況を事後検証票から後ろ向きに調査した。結果:心肺機能停止前の重度傷病者に対する静脈路確保の対象症例は173例であり,低血糖発作症例は79例であった。心肺機能停止前の輸液は,循環血液量減少が70%,心原性が8.1%,アナフィラキシーが6.4%であった。現場出発前の静脈路確保は現場出発後に比較して,現場滞在時間を約5分間延長させていた。低血糖症例に対するブドウ糖溶液の投与により,97%で意識は改善していた。 |
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ISSN: | 1345-0581 2187-9001 |
DOI: | 10.11240/jsem.19.566 |