BIツールとETLツールを用いたクリニカルパスデータ分析プロセスを改善する試み

当院では、心臓血管外科手術後の患者に対して人工呼吸器離脱ユニットパス(以下、呼吸器離脱パス)で標準化された患者管理を行っている。呼吸器離脱パスは、数時間ごとの短い時間間隔でタスクが進行する特徴があり、当院で用いているMegaOrk HR(日本電気株式会社、東京)の電子パスでは作成が困難であった。そのため、電子カルテ導入後もしばらく紙運用を続けた。紙記録を臨床工学技士が集計・分析し、診療現場へフィードバックしていたが、作業に時間を要し、数年に1回の報告が限界であった。また、用紙の紛失や入力漏れなどもあり、データ収集が困難であったため、文書管理システムであるYahgee(富士フイルムメディカルIT...

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Published in日本クリニカルパス学会誌 Vol. 24; no. 1; pp. 17 - 23
Main Authors 吉冨, 香愛, 荒木, 康幸, 管田, 塁, 西中, 巧, 小妻, 幸男, 髙志, 賢太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本クリニカルパス学会 28.03.2022
日本クリニカルパス学会
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ISSN2187-6592
2436-1046
DOI10.50842/jjscp.24.1_17

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Summary:当院では、心臓血管外科手術後の患者に対して人工呼吸器離脱ユニットパス(以下、呼吸器離脱パス)で標準化された患者管理を行っている。呼吸器離脱パスは、数時間ごとの短い時間間隔でタスクが進行する特徴があり、当院で用いているMegaOrk HR(日本電気株式会社、東京)の電子パスでは作成が困難であった。そのため、電子カルテ導入後もしばらく紙運用を続けた。紙記録を臨床工学技士が集計・分析し、診療現場へフィードバックしていたが、作業に時間を要し、数年に1回の報告が限界であった。また、用紙の紛失や入力漏れなどもあり、データ収集が困難であったため、文書管理システムであるYahgee(富士フイルムメディカルITソリューションズ株式会社、東京)を用いて電子化を行った。電子化するにあたり、BI(Business Intelligence)ツールとETL(Extract Transform Load)ツールを用いて自動可視化の仕組み(RPA: Robotic Process Automation)を構築したが、この工程では、データの構造化、収集方法の工夫が鍵となった。この取り組みの結果、臨床工学技士の業務負担軽減を行い、かつ診療現場への迅速なフィードバックを可能にした。術後管理のトレンドを分析することで、今後の患者管理に活かす仕組みが構築できた。呼吸器離脱パスのデータ分析プロセスを改善したことで、データ集計・分析の省力化により、PDCAサイクルを効率的に回すことができ、医療の質向上のスピードアップが図れた。
ISSN:2187-6592
2436-1046
DOI:10.50842/jjscp.24.1_17