スマートウォッチの装着が活動性低下を自覚している 高齢者の行動変容に与える影響

本研究の目的は,コロナ禍前後で活動性が低下したと自覚している高齢者を対象に日中の活動状況をモニタリングすることで,スマートウォッチの装着が高齢者の行動変容に与える影響について調査することである。研究対象者に半年間,スマートウォッチを装着してもらい,2週間ごとの立ち上がり動作の回数及び歩数をグラフ化し,探索的にデータ解釈を行った。その結果,9名の対象者のうち,同じ公園にいた3名の対象者に行動変容がみられ,活動性が上昇していた。また,1名の対象者に日々の活動について取り繕う様子が伺えていた。本研究では,活動性が低下し,日々の歩数が目標値を下回っている高齢者が,スマートウォッチを用いたセルフモニタリ...

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Published in高齢者のケアと行動科学 Vol. 29; pp. 53 - 64
Main Authors 松本, 賢哉, 東野, 輝夫, 工藤, 寛樹, 餅田, 敬司, 征矢野, あや子, 座光寺, 佑樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年行動科学会 01.12.2024
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ISSN1880-3474
2434-0553
DOI10.24777/jsbse.29.0_53

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Summary:本研究の目的は,コロナ禍前後で活動性が低下したと自覚している高齢者を対象に日中の活動状況をモニタリングすることで,スマートウォッチの装着が高齢者の行動変容に与える影響について調査することである。研究対象者に半年間,スマートウォッチを装着してもらい,2週間ごとの立ち上がり動作の回数及び歩数をグラフ化し,探索的にデータ解釈を行った。その結果,9名の対象者のうち,同じ公園にいた3名の対象者に行動変容がみられ,活動性が上昇していた。また,1名の対象者に日々の活動について取り繕う様子が伺えていた。本研究では,活動性が低下し,日々の歩数が目標値を下回っている高齢者が,スマートウォッチを用いたセルフモニタリングに加えて他者との交流を深めることで,活動レベルが向上できることが示唆された。また本研究のような取り組みは,要介護予備軍を見つけるためのきっかけづくりになると考えられた。
ISSN:1880-3474
2434-0553
DOI:10.24777/jsbse.29.0_53