飼育下の雌ハートマンヤマシマウマEquus zebra hartmannae における 血中および糞中の性ステロイドホルモン濃度動態と腟粘膜上皮細胞像の変化による発情周期のモニタリング
飼育下ハートマンヤマシマウマ(Equus zebra hartmannae)の雌1頭において,血中および糞中の性ステロイドホルモン濃度の測定,腟粘膜上皮細胞像の観察および直腸温測定を実施し,発情周期を調査した。血中エストラジオール-17β 濃度がピーク値を示した後,血中プロジェステロン濃度の上昇がみられた。糞中プロジェステロン代謝物濃度動態は血中での動態と類似しており,血中濃度と採血日から2 日後の糞中の濃度は有意な正の相関(r=0.80)を示した。糞中プロジェステロン代謝物濃度の動態はプロジェステロン分泌をよく反映していることが明らかになった。糞中プロジェステロン代謝物濃度の動態は年間を通し...
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Published in | 日本野生動物医学会誌 Vol. 28; no. 2; pp. 73 - 80 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本野生動物医学会
01.09.2023
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Subjects | |
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ISSN | 1342-6133 2185-744X |
DOI | 10.5686/jjzwm.28.73 |
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Summary: | 飼育下ハートマンヤマシマウマ(Equus zebra hartmannae)の雌1頭において,血中および糞中の性ステロイドホルモン濃度の測定,腟粘膜上皮細胞像の観察および直腸温測定を実施し,発情周期を調査した。血中エストラジオール-17β 濃度がピーク値を示した後,血中プロジェステロン濃度の上昇がみられた。糞中プロジェステロン代謝物濃度動態は血中での動態と類似しており,血中濃度と採血日から2 日後の糞中の濃度は有意な正の相関(r=0.80)を示した。糞中プロジェステロン代謝物濃度の動態はプロジェステロン分泌をよく反映していることが明らかになった。糞中プロジェステロン代謝物濃度の動態は年間を通して周期的な増減を示し,平均23.1±2.3日間の発情周期が確認された。無核角化上皮細胞の割合は,糞中プロジェステロン代謝物濃度が低い非黄体期に増加する傾向がみられたが,有意な変化ではなかった。直腸温については非黄体期に増減変化がみられ,ヒトなどで一般的に知られている黄体期の基礎体温上昇は確認できなかった。 |
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ISSN: | 1342-6133 2185-744X |
DOI: | 10.5686/jjzwm.28.73 |