腰椎椎間板ヘルニア摘出術クリニカルパスの改訂

腰椎椎間板ヘルニア摘出術に対しクリニカルパス(以下CP)の改訂を行った。対象は2005年7月から2008年3月に手術を施行された45例、平均年齢39.5歳(17~68歳)であった。術後14日で退院を目標としており、これを超えた症例を超過例とした。術後在院日数、術後から立位、歩行器歩行、独歩が開始されるまでの日数を調査した。各々の動作開始日、年齢と術後在院日数との相関関係を検討した。また術翌日、術後2日目に動作開始が可能であった症例数、超過例を除いた術後在院日数を調査し新CPを作成した。超過例は3例であり、身体的要因が2例、社会的要因が1例であった。身体的要因は、泌尿器科的疾患、疼痛の残存であっ...

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Published in日本クリニカルパス学会誌 Vol. 11; no. 3; pp. 283 - 288
Main Authors 平田, 正純, 藤井, 敏之, 太田, 信也, 新保, 健次, 黒川, 正夫, 清水, 啓史, 陳, 宗雅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本クリニカルパス学会 30.09.2009
日本クリニカルパス学会
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ISSN2187-6592
2436-1046
DOI10.50842/jjscp.11.3_283

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Summary:腰椎椎間板ヘルニア摘出術に対しクリニカルパス(以下CP)の改訂を行った。対象は2005年7月から2008年3月に手術を施行された45例、平均年齢39.5歳(17~68歳)であった。術後14日で退院を目標としており、これを超えた症例を超過例とした。術後在院日数、術後から立位、歩行器歩行、独歩が開始されるまでの日数を調査した。各々の動作開始日、年齢と術後在院日数との相関関係を検討した。また術翌日、術後2日目に動作開始が可能であった症例数、超過例を除いた術後在院日数を調査し新CPを作成した。超過例は3例であり、身体的要因が2例、社会的要因が1例であった。身体的要因は、泌尿器科的疾患、疼痛の残存であった。平均術後在院日数は8.6日であった。術後動作開始日数は、立位は平均1.2日、歩行器歩行は平均1.2日、独歩は平均2.6日であった。独歩開始日と術後在院日数の間で正の相関が認められた。術翌日で立位は36例、歩行器歩行は22例、独歩は12例で開始できた。術後2日目には29例が独歩可能であった。新CPでは術翌日より「疼痛に応じて歩行器、自立歩行が可能」とし、術後8日目での退院を目標とした。退院基準を「約500m歩行可能であり、下肢痛、しびれ感の増強がないこと」とした。独歩開始日の遅延は入院期間の延長となる可能性があることが示唆された。独歩の早期獲得はCPを円滑に進めるうえで重要であると考えた。
ISSN:2187-6592
2436-1046
DOI:10.50842/jjscp.11.3_283