頸動脈ステント留置術クリニカルパスからみえた患者指導
目的:頸動脈ステント術(以下、CAS)は、低侵襲な手術であるが、術後合併症管理のため、当院では術後14日間の入院期間が設定されている。しかし、術後早期退院を望む患者が多く、合併症管理の必要性や退院指導について、入院期間の中で効果的な患者指導が行われていなかったことが原因だと考えられた。そこで、患者教育という観点からクリニカルパス(以下、パス)運用初期における問題点を整理し、見直しを行った。方法:CAS実施患者11名(2013年3月~2015年10月)のバリアンス分析、個別の症例についての記録調査を実施した。結果:バリアンス結果は、脳梗塞0件(0%)、過灌流現象2件(16.7%)、徐脈性低血圧が...
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Published in | 日本クリニカルパス学会誌 Vol. 20; no. 1; pp. 35 - 40 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本クリニカルパス学会
12.03.2018
日本クリニカルパス学会 |
Subjects | |
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ISSN | 2187-6592 2436-1046 |
DOI | 10.50842/jjscp.20.1_35 |
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Summary: | 目的:頸動脈ステント術(以下、CAS)は、低侵襲な手術であるが、術後合併症管理のため、当院では術後14日間の入院期間が設定されている。しかし、術後早期退院を望む患者が多く、合併症管理の必要性や退院指導について、入院期間の中で効果的な患者指導が行われていなかったことが原因だと考えられた。そこで、患者教育という観点からクリニカルパス(以下、パス)運用初期における問題点を整理し、見直しを行った。方法:CAS実施患者11名(2013年3月~2015年10月)のバリアンス分析、個別の症例についての記録調査を実施した。結果:バリアンス結果は、脳梗塞0件(0%)、過灌流現象2件(16.7%)、徐脈性低血圧が3件(25%)、穿刺部出血3件(25%)であった。記録調査の結果は、術後安静・禁煙を守れない、また、モニター管理や点滴が終了すると「早く帰りたい」という患者がいた。医師・看護師・薬剤師と術後・退院指導に関するアウトカムを見直し、看護師が統一した患者指導を実践できるようパンフレットを作成し、アウトカムと関連付け、指導開始時期を詳細に設定した。考察・結論:各指導の実施時期を見直し、アウトカムを設定することで、スタッフは適切なタイミングで指導ができた。今後の課題は、栄養士や外来看護師と連携し、チーム医療としてパスの質の向上と改善を目指し、PDCAサイクルで継続的に評価していきたい。 |
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ISSN: | 2187-6592 2436-1046 |
DOI: | 10.50842/jjscp.20.1_35 |