前方および下方への上肢の等尺性押し動作における腹筋活動の分析
〔目的〕上肢運動の基盤を与える体幹部の姿勢保持に関わる体幹筋の活動を,運動負荷の方向と体幹筋の作用線方向の関係を考慮して筋電図学的に分析することを目的とした。〔対象〕健常男性8名を対象とした。〔方法〕前方(体幹長軸に直交)および下方(体幹長軸に平行)への等尺性の上肢の押し動作を異なる運動負荷量で行わせ,その時の体幹筋の活動を表面筋電図を用いて計測した。運動負荷方向と運動負荷量の体幹筋活動量への影響を2元配置分散分析により分析した。〔結果〕 腹直筋,外腹斜筋,内腹斜筋の筋活動は,前方および下方への運動負荷方向において運動負荷量に応じて増加した。腹直筋の筋活動には運動負荷方向の影響を認め,前方への...
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Published in | 理学療法科学 Vol. 25; no. 2; pp. 291 - 297 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
理学療法科学学会
2010
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Subjects | |
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ISSN | 1341-1667 2434-2807 |
DOI | 10.1589/rika.25.291 |
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Summary: | 〔目的〕上肢運動の基盤を与える体幹部の姿勢保持に関わる体幹筋の活動を,運動負荷の方向と体幹筋の作用線方向の関係を考慮して筋電図学的に分析することを目的とした。〔対象〕健常男性8名を対象とした。〔方法〕前方(体幹長軸に直交)および下方(体幹長軸に平行)への等尺性の上肢の押し動作を異なる運動負荷量で行わせ,その時の体幹筋の活動を表面筋電図を用いて計測した。運動負荷方向と運動負荷量の体幹筋活動量への影響を2元配置分散分析により分析した。〔結果〕 腹直筋,外腹斜筋,内腹斜筋の筋活動は,前方および下方への運動負荷方向において運動負荷量に応じて増加した。腹直筋の筋活動には運動負荷方向の影響を認め,前方への押し動作と比較して下方への押し動作で大きかった。最長筋,多裂筋の筋活動には運動負荷量による相違を認めたが,その筋活動は小さかった。〔結語〕腹直筋の筋活動には運動負荷方向の影響を認め,作用線方向である体幹長軸方向へ作用しやすい特徴をもつと考えられた。 |
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ISSN: | 1341-1667 2434-2807 |
DOI: | 10.1589/rika.25.291 |