来院中の高齢者のフレイルに関する質問紙調査の結果について
当院に来院している高齢者(75歳以上85歳以下)のフレイル(オーラルフレイル含む)の現状を知るため,質問紙法による調査を行った.調査内容は,交通手段,残存歯数・歯周病の進行状況の理解,口腔の認知度,体重・歩く速さ,缶の開けにくさ,食事,会話,口腔の機能,社会活動,口腔機能検査や口腔機能トレーニングの希望の有無,今後の心配事,について個別面接または配票調査法にて調査した.結果について調査対象者のうち現在歯数20歯以上の者(20歯以上群)と20歯未満の者(20歯未満群)を比較した.残存歯数,歯周病進行度を理解している者は,それぞれ16%,21%であった.体力面では,歩く速度で,60%の者が遅さを感...
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Published in | 日本ヘルスケア歯科学会誌 Vol. 24; no. 1; pp. 74 - 81 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本ヘルスケア歯科学会
31.12.2023
日本ヘルスケア歯科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 2187-1760 2436-7311 |
DOI | 10.51066/jhcda.24.1_74 |
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Summary: | 当院に来院している高齢者(75歳以上85歳以下)のフレイル(オーラルフレイル含む)の現状を知るため,質問紙法による調査を行った.調査内容は,交通手段,残存歯数・歯周病の進行状況の理解,口腔の認知度,体重・歩く速さ,缶の開けにくさ,食事,会話,口腔の機能,社会活動,口腔機能検査や口腔機能トレーニングの希望の有無,今後の心配事,について個別面接または配票調査法にて調査した.結果について調査対象者のうち現在歯数20歯以上の者(20歯以上群)と20歯未満の者(20歯未満群)を比較した.残存歯数,歯周病進行度を理解している者は,それぞれ16%,21%であった.体力面では,歩く速度で,60%の者が遅さを感じていた.口腔では,口渇55%,唇・舌・頰を嚙む38%,むせ・誤嚥35%の者に症状があり,フレイルの存在をうかがわせる結果であった.20歯以上群は,自分で運転してくる,口腔の認知度,体重の変化,なんでも食べられる,口渇,むせ・誤嚥,社会活動を何かしている,の項目で20歯未満群よりも比率が高かった.逆に舌・頰・口唇を嚙む,口腔機能検査希望ならびにそのトレーニングへの興味,では20歯未満群のほうが高かった.歩く速度,蓋の開けにくさ,食事にかかる時間,思いどおりに喋れる,食べこぼし,ではあまり違いがみられなかった.通院が困難になって一番心配なことは,交通手段をどう確保するかであった. |
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ISSN: | 2187-1760 2436-7311 |
DOI: | 10.51066/jhcda.24.1_74 |