視覚的情報が母趾先端─障害物間最小距離に及ぼす影響

〔目的〕本研究では視覚的情報を貼付した敷居と貼付の2つの条件下において母趾先端─障害物間最小距離(TC)と下肢関節角度を比較し,視覚的情報が下肢運動に与える影響について検討した.〔対象〕対象は健常若年男性30名とした.〔方法〕2条件下にて跨ぎ動作を行い,TCと下肢の各関節角度をVICONによって測定した.〔結果〕TCではテープ:99.1±18.7 mm,テープあり:106.0±16.9 mmとなり有意な差が認められた.TCにおける膝関節屈曲・足関節背屈角度には有意な差が認められず,股関節屈曲角度のみに有意な差が認められた.〔結語〕跨ぎ動作時のTCの増加は視覚的情報が敷居認識を容易にし注意を喚起...

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Published in理学療法科学 Vol. 27; no. 2; pp. 189 - 193
Main Authors 時永, 広之, 大内, みふか, 佐藤, 香緒里, 前多, 希美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2012
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.27.189

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Summary:〔目的〕本研究では視覚的情報を貼付した敷居と貼付の2つの条件下において母趾先端─障害物間最小距離(TC)と下肢関節角度を比較し,視覚的情報が下肢運動に与える影響について検討した.〔対象〕対象は健常若年男性30名とした.〔方法〕2条件下にて跨ぎ動作を行い,TCと下肢の各関節角度をVICONによって測定した.〔結果〕TCではテープ:99.1±18.7 mm,テープあり:106.0±16.9 mmとなり有意な差が認められた.TCにおける膝関節屈曲・足関節背屈角度には有意な差が認められず,股関節屈曲角度のみに有意な差が認められた.〔結語〕跨ぎ動作時のTCの増加は視覚的情報が敷居認識を容易にし注意を喚起し,その結果予測的に障害物を回避する反応が強まった可能性があると示唆された.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.27.189