聾型突発性難聴の聴力予後の検討

初診時聾型を呈した突発性難聴と聾を呈した突発性難聴との聴力予後の比較を行い, さらに聾型において残聴を認めた周波数と認めない周波数における固定時聴力について検討した。聾型の予後は治癒のものから不変のものまで様々であったのに対し, 聾の症例は概ね予後不良であった。聾型の周波数別の検討では中音域に残聴を認めた症例の予後が比較的良好であった。一般に聾型突発性難聴の予後は不良とされるが, 中音域, 特に2kHzの残聴の有無が, 聾型突発性難聴の予後を予測する指標となる可能性が考えられた。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 41; no. 6; pp. 765 - 769
Main Authors 神崎, 仁, 佐藤, 美奈子, 原田, 竜彦, 井上, 泰宏, 斎藤, 秀行, 保谷, 則之, 小川, 郁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 31.12.1998
日本聴覚医学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.41.765

Cover

More Information
Summary:初診時聾型を呈した突発性難聴と聾を呈した突発性難聴との聴力予後の比較を行い, さらに聾型において残聴を認めた周波数と認めない周波数における固定時聴力について検討した。聾型の予後は治癒のものから不変のものまで様々であったのに対し, 聾の症例は概ね予後不良であった。聾型の周波数別の検討では中音域に残聴を認めた症例の予後が比較的良好であった。一般に聾型突発性難聴の予後は不良とされるが, 中音域, 特に2kHzの残聴の有無が, 聾型突発性難聴の予後を予測する指標となる可能性が考えられた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.41.765