フィンスイミング日本選手権出場選手の足関節痛との関連要因
目的:フィンスイミングによる痛みは足関節に生じやすいため,足関節痛と関連の高い要因を明らかにし,足関節の外傷・障害予防の一助とすることを目的とした。方法:2016年度フィンスイミング日本選手権出場選手314名のうち中学生以上の選手を対象とした。出場選手が所属する全チーム代表者に質問紙を送付し,79名(男子49名,女子30名)の有効回答を得た。質問項目は,足関節痛,足関節捻挫の既往,自覚的な足関節の緩さや不安定感,足関節・体幹トレーニングの実施率,泳動作中の足関節の使い方の意識,および自覚的な発症要因とした。統計処理は,足関節痛の有無と名義尺度,比率尺度との関連について二項ロジスティック回帰分析...
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| Published in | 運動疫学研究 Vol. 22; no. 1; pp. 35 - 44 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本運動疫学会
31.03.2020
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1347-5827 2434-2017 |
| DOI | 10.24804/ree.1911 |
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| Summary: | 目的:フィンスイミングによる痛みは足関節に生じやすいため,足関節痛と関連の高い要因を明らかにし,足関節の外傷・障害予防の一助とすることを目的とした。方法:2016年度フィンスイミング日本選手権出場選手314名のうち中学生以上の選手を対象とした。出場選手が所属する全チーム代表者に質問紙を送付し,79名(男子49名,女子30名)の有効回答を得た。質問項目は,足関節痛,足関節捻挫の既往,自覚的な足関節の緩さや不安定感,足関節・体幹トレーニングの実施率,泳動作中の足関節の使い方の意識,および自覚的な発症要因とした。統計処理は,足関節痛の有無と名義尺度,比率尺度との関連について二項ロジスティック回帰分析を行った。有意水準は5%とした。結果:現在の足関節痛(27名)は,自覚的な足関節の緩さ(27名)の中でも,特にフィン使用時の足関節の緩さ(23名)との間に有意に高い関連がみられた(オッズ比28.5,95%CI 7.7-105.9)。現在・過去の有痛者36名の自覚的な発症要因は足関節の緩さ(12名)が最多であり,足関節捻挫の既往(3名)もみられた。トレーニング実施率は体幹68.4%に対し,足関節は26.6%と低かった。結論:フィン使用時の自覚的な足関節の緩さはフィンスイミングによる足関節痛と高い関連が明らかとなり,更に自覚的な発症要因としても足関節の緩さが最多であったことから,足関節の緩さへの対策の必要性が示唆された。 |
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| ISSN: | 1347-5827 2434-2017 |
| DOI: | 10.24804/ree.1911 |