新型コロナウイルス感染症の感染拡大が,神奈川県のアイスホッケーに与えた影響

(目的)コロナ禍におけるアイスホッケーの傷害と反則の動向に関する調査を行うことにより,新型コロナウイルス感染症の流行がアイスホッケー競技に与えた影響について検証することを目的とした.(方法)2018 年9 月から2023 年3 月までに行われた神奈川県男子アイスホッケー選手権および国体予選会,計734 試合を対象として,シーズン毎の反則の種類と総数および試合中に発生した傷害を調査した.(結果)1 試合あたりの平均反則件数は,2018 年度シーズン5.93 件,2019 年度シーズンが5.66 件,2020年度シーズンが4.96 件,2021 年度シーズンが4.40 件,2022 年度シーズンが...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 32; no. 1; pp. 35 - 39
Main Authors 芳賀, 秀郷, 藤巻, 良昌, 雨宮, 雷太, 三邉, 武幸, 江守, 永, 三邉, 武彦, 須山, 陽介, 大下, 優介, 西中, 直也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床スポーツ医学会 31.01.2024
日本臨床スポーツ医学会
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ISSN1346-4159
2758-3767
DOI10.57474/jjcsm.32.1_35

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Summary:(目的)コロナ禍におけるアイスホッケーの傷害と反則の動向に関する調査を行うことにより,新型コロナウイルス感染症の流行がアイスホッケー競技に与えた影響について検証することを目的とした.(方法)2018 年9 月から2023 年3 月までに行われた神奈川県男子アイスホッケー選手権および国体予選会,計734 試合を対象として,シーズン毎の反則の種類と総数および試合中に発生した傷害を調査した.(結果)1 試合あたりの平均反則件数は,2018 年度シーズン5.93 件,2019 年度シーズンが5.66 件,2020年度シーズンが4.96 件,2021 年度シーズンが4.40 件,2022 年度シーズンが4.64 件で,コロナ禍で反則は減少傾向がみられたが,スティックを用いた反則の割合は増加がみられた.傷害の報告は2018 年度シーズン(175 試合)が0 件,2019 年度シーズン(191 試合)が0 件,2020 年度シーズン(73 試合)が1 件,2021 年度シーズン(119 試合)が6 件,2022 年度シーズン(176 試合)が2 件と,コロナ禍に傷害が急増した.(結論)傷害の発生件数が増加した原因として,緊急事態宣言の発令によるスケートリンクの営業休止のため,氷上トレーニングが不足したことが考えられた.また新型コロナウイルスの接触感染への危惧から,コンタクトプレーによる反則が減少し,スティックを用いた反則が増加した可能性が考えられた.
ISSN:1346-4159
2758-3767
DOI:10.57474/jjcsm.32.1_35