前立腺がん術後および放射線治療後の地域連携パスの作成と運用
前立腺全摘除術、放射線治療を受けた前立腺がん患者に対する地域連携パスを作成し、地域医療機関とともに経過観察を行った。 連携先を一般医療施設とする循環型パスを作成した。連携医にPSA測定、一般採血、後遺症チェックを依頼し、国際前立腺症状スコア、生活の質スコア、治療後遺症の一覧表を同封した。PSAが基準値以内、治療後遺症がないことを患者アウトカムとした。2011年4月から2015年3月までのパス適応患者数、パス開始前後での外来患者年度別総数、紹介患者数、逆紹介患者数、がん治療連携計画策定料算定件数、適用患者再診率、疾病のバリアンス、再診率を検討した。 675人の患者に本パスを適用した。連携施設は1...
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Published in | 日本クリニカルパス学会誌 Vol. 19; no. 1; pp. 35 - 41 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本クリニカルパス学会
10.03.2017
日本クリニカルパス学会 |
Subjects | |
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ISSN | 2187-6592 2436-1046 |
DOI | 10.50842/jjscp.19.1_35 |
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Summary: | 前立腺全摘除術、放射線治療を受けた前立腺がん患者に対する地域連携パスを作成し、地域医療機関とともに経過観察を行った。 連携先を一般医療施設とする循環型パスを作成した。連携医にPSA測定、一般採血、後遺症チェックを依頼し、国際前立腺症状スコア、生活の質スコア、治療後遺症の一覧表を同封した。PSAが基準値以内、治療後遺症がないことを患者アウトカムとした。2011年4月から2015年3月までのパス適応患者数、パス開始前後での外来患者年度別総数、紹介患者数、逆紹介患者数、がん治療連携計画策定料算定件数、適用患者再診率、疾病のバリアンス、再診率を検討した。 675人の患者に本パスを適用した。連携施設は191施設。パス開始により泌尿器科外来患者年度別総数は減少したが、開始後4年で増加に転じた。紹介患者数、逆紹介患者数は一貫して上昇した。がん治療連携計画策定料は257件に算定した。パス適用患者再診率は1年目:手術84.5%、放射線85.5%、2年目:手術79.3%、放射線83.3%、3年目:手術92,5%、放射線90.2%。疾病のバリアンスは27例に生じた。パスの運用後、紹介患者数、逆紹介患者数が上昇し、がん治療連携計画策定料も算定できた。PSA上昇、後遺症発生などのバリアンスに対応できた。 地域連携パスを使用し、地域の医療機関とともに前立腺がん根治治療後の患者の経過観察を行うことが可能であった。 |
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ISSN: | 2187-6592 2436-1046 |
DOI: | 10.50842/jjscp.19.1_35 |