腹壁皮下脂肪層の厚みの解析から推奨されるストーマ造設法―女性における検討

【目的】体位による腹壁皮下脂肪層の変化を検索し、良好なストーマ造設法を示すことを目的とした。 【対象・方法】40から61歳までの健常女性24名を対象とした。左上下腹部の2点にストーマサイトマーキングし、同部の腹壁皮下脂肪層の厚みを超音波で測定した。測定体位は5体位とした。 【結果】腹壁皮下脂肪層の厚みは、上下腹部とも臥位で最も薄く、前屈座位で最も厚く臥位の1.6から1.7倍であった。上下腹部間では、下腹部の腹壁皮下脂肪層が厚い体位が多い。体位による腹壁皮下脂肪層の厚みの変動は下腹部で大きく、BMIが大きい例で有意に大きい。 【結論】体位変化によりストーマ周囲皮膚が陥凹する可能性があり、ストーマ...

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Published in日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌 Vol. 29; no. 2; pp. 24 - 29
Main Authors 雨宮, 美和子, 吉澤, 美樹, 金田, 明奈, 安達, 亙, 小林, 紀子, 村松, かずみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会 2013
Subjects
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ISSN1882-0115
2434-3056
DOI10.32158/jsscr.29.2_24

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Summary:【目的】体位による腹壁皮下脂肪層の変化を検索し、良好なストーマ造設法を示すことを目的とした。 【対象・方法】40から61歳までの健常女性24名を対象とした。左上下腹部の2点にストーマサイトマーキングし、同部の腹壁皮下脂肪層の厚みを超音波で測定した。測定体位は5体位とした。 【結果】腹壁皮下脂肪層の厚みは、上下腹部とも臥位で最も薄く、前屈座位で最も厚く臥位の1.6から1.7倍であった。上下腹部間では、下腹部の腹壁皮下脂肪層が厚い体位が多い。体位による腹壁皮下脂肪層の厚みの変動は下腹部で大きく、BMIが大きい例で有意に大きい。 【結論】体位変化によりストーマ周囲皮膚が陥凹する可能性があり、ストーマ造設時に皮下脂肪層内で腸管に余裕を持たせる必要がある。BMIが大きい例では、上腹部でのストーマ造設が推奨される。
ISSN:1882-0115
2434-3056
DOI:10.32158/jsscr.29.2_24