立ち上がり動作時における体幹前傾姿勢の類型化

本研究の目的は,椅子からの立ち上がり動作時における体幹前傾姿勢を類型化することである。対象は22~87(平均年齢57.9)歳の日常生活動作(ADL)が自立している女性319名であった。椅子からの立ち上がり動作時の体幹前傾姿勢は体幹前傾角度を指標とした。体幹前傾角度は,2次元動画解析システムを用いて計測した。その結果,年齢別の体幹前傾角度には有意差はみられなかった。階層クラスター分析の結果,体幹前傾角度はI型~V型に分類された。判別分析によるII型とIII型およびIII型とIV型の判別は有意となった(p<0.05)。体幹前傾角度の類型と背景因子(体力や生活環境)との関係では,共分散構造分析...

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Published in理学療法科学 Vol. 19; no. 4; pp. 291 - 298
Main Author 丸田, 和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2004
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.19.291

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Summary:本研究の目的は,椅子からの立ち上がり動作時における体幹前傾姿勢を類型化することである。対象は22~87(平均年齢57.9)歳の日常生活動作(ADL)が自立している女性319名であった。椅子からの立ち上がり動作時の体幹前傾姿勢は体幹前傾角度を指標とした。体幹前傾角度は,2次元動画解析システムを用いて計測した。その結果,年齢別の体幹前傾角度には有意差はみられなかった。階層クラスター分析の結果,体幹前傾角度はI型~V型に分類された。判別分析によるII型とIII型およびIII型とIV型の判別は有意となった(p<0.05)。体幹前傾角度の類型と背景因子(体力や生活環境)との関係では,共分散構造分析による有意な相関はみられなかった。これらの結果から,椅子からの立ち上がり動作時の体幹前傾角度は,体幹前傾姿勢の臨床的な指標となり得ることが明らかとなった。ADLにおいてステレオタイプに運動パターン化された動作や性格などからもたらされる影響を検討する必要性が示唆された。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.19.291