縦隔海綿状血管腫の1例

症例は60歳代男性。他疾患の精査で行なったCTで偶然前縦隔の腫瘤影を指摘され,精査目的に当科へ紹介された。造影効果に乏しく一部石灰化を伴う腫瘤であり,良性の可能性も考えられたため経過観察の方針とした。その後のCTで病変の増大があり,悪性の可能性が否定できず,縦隔腫瘍摘出術を施行した。病理組織検査で海綿状血管腫の診断となった。縦隔の血管腫は稀な疾患であり,病理学的に悪性所見は認めずとも術後に再発する可能性も報告されており,外科的完全切除および経過観察が必要と考えられる。文献的考察を加えて報告する。...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 73; no. 5; pp. 449 - 452
Main Authors 川原田, 康, 高橋, 吏, 木村, 愛彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 01.01.2025
日本農村医学会
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.73.449

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Summary:症例は60歳代男性。他疾患の精査で行なったCTで偶然前縦隔の腫瘤影を指摘され,精査目的に当科へ紹介された。造影効果に乏しく一部石灰化を伴う腫瘤であり,良性の可能性も考えられたため経過観察の方針とした。その後のCTで病変の増大があり,悪性の可能性が否定できず,縦隔腫瘍摘出術を施行した。病理組織検査で海綿状血管腫の診断となった。縦隔の血管腫は稀な疾患であり,病理学的に悪性所見は認めずとも術後に再発する可能性も報告されており,外科的完全切除および経過観察が必要と考えられる。文献的考察を加えて報告する。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.73.449