血管内皮細胞の機能保持による体内恒常性制御―アドレノメデュリン-RAMP2シグナルによって
「I はじめに」血管は全身に分布して, 生体機能の維持に必須の役割を果たす. 一方で, 血管の障害は, 癌, 脳卒中, 心臓病の3大生活習慣病の病態にも深く関わっている. さらに, 血管の恒常性維持の調節システムの異常と, その修復過程の破綻は, 様々な慢性臓器障害の原因となる. 血管の恒常性維持において中心となるのが, 血管内皮細胞である. 血管内皮細胞は, 体内最大の臓器間ネットワークを形成し, 様々な生理活性分子を産生する. ナトリウム利尿ペプチド, エンドセリン, アドレノメデュリンなどの重要な生体内生理活性分子の発見は我が国でなされ, その後の研究も我が国が世界をリードしてきた. こ...
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| Published in | 信州医学雑誌 Vol. 60; no. 3; pp. 163 - 165 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
信州医学会
2012
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0037-3826 1884-6580 |
| DOI | 10.11441/shinshumedj.60.163 |
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| Summary: | 「I はじめに」血管は全身に分布して, 生体機能の維持に必須の役割を果たす. 一方で, 血管の障害は, 癌, 脳卒中, 心臓病の3大生活習慣病の病態にも深く関わっている. さらに, 血管の恒常性維持の調節システムの異常と, その修復過程の破綻は, 様々な慢性臓器障害の原因となる. 血管の恒常性維持において中心となるのが, 血管内皮細胞である. 血管内皮細胞は, 体内最大の臓器間ネットワークを形成し, 様々な生理活性分子を産生する. ナトリウム利尿ペプチド, エンドセリン, アドレノメデュリンなどの重要な生体内生理活性分子の発見は我が国でなされ, その後の研究も我が国が世界をリードしてきた. これらの分子は, 多彩な生理活性を有し, 生体内恒常性維持において重要な役割を果たす. 「II アドレノメデュリンと受容体システム」アドレノメデュリン(Adrenomedullin:AM)は, 血管をはじめ全身の組織で広範に産生される血管作動性物質である. |
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| ISSN: | 0037-3826 1884-6580 |
| DOI: | 10.11441/shinshumedj.60.163 |