消防覚知段階における墜落外傷のトリアージ

目的:消防覚知段階の情報から墜落外傷のトリアージが可能か検討する。方法:2003年4月からの4年間に当院へ救急搬送された墜落外傷症例を導出コホート,検証コホートに分けて後方視的に調査した。まず墜落高の重症外傷(ISS≧25)予測能についてROC解析を行った。次に重症予測にかかわる因子の多変量解析を行い,スコアリングを作成し検証した。結果:導出コホート111例において墜落高の重症予測能はAUCが0.65であり,墜落高の閾値は4mとなった。多重ロジスティック解析では高所,高齢,受傷時の意識障害が独立した重症予測因子であった。それぞれの因子を1点としたスコアリングを用いるとAUCが0.76となった。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 22; no. 3; pp. 469 - 474
Main Authors 森下, 由香, 小野寺, 良太, 清水, 隆文, 奈良, 理, 大西, 新介, 杉浦, 岳, 大城, あき子, 岡本, 博之, 高橋, 宏之, 近藤, 統
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 30.06.2019
日本臨床救急医学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.22.469

Cover

More Information
Summary:目的:消防覚知段階の情報から墜落外傷のトリアージが可能か検討する。方法:2003年4月からの4年間に当院へ救急搬送された墜落外傷症例を導出コホート,検証コホートに分けて後方視的に調査した。まず墜落高の重症外傷(ISS≧25)予測能についてROC解析を行った。次に重症予測にかかわる因子の多変量解析を行い,スコアリングを作成し検証した。結果:導出コホート111例において墜落高の重症予測能はAUCが0.65であり,墜落高の閾値は4mとなった。多重ロジスティック解析では高所,高齢,受傷時の意識障害が独立した重症予測因子であった。それぞれの因子を1点としたスコアリングを用いるとAUCが0.76となった。検証コホート128例においてもAUCは0.77であった。結論:墜落外傷においては,墜落高だけではなく高齢,受傷時の意識障害の情報を付加することでより正確なトリアージが可能となる。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.22.469