医薬品の安全性情報とリスクコミュニケーション
本シンポジウムは, 医薬品・医療機器(以下医薬品とする)行政における安全性情報について, 「患者・消費者」及び「医療関係者」に対する適切なリスクコミュニケーション(以下リスコミ)のあり方を議論した. 米国では, FDA改革法で, 患者・消費者への医薬品安全性情報の提供強化, リスコミ諮問委員会設置, インターネットによる医薬品情報のアクセス改善が定められた. わが国でも, 平成22年4月にまとめられた「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」最終提言においても, 医薬品安全性のリスコミが取り上げられ喫緊の課題となっている. 患者・消費者が持つ医薬品に対するベネフィッ...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 132; no. 5; p. 531 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.05.2012
日本薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.132.531 |
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Summary: | 本シンポジウムは, 医薬品・医療機器(以下医薬品とする)行政における安全性情報について, 「患者・消費者」及び「医療関係者」に対する適切なリスクコミュニケーション(以下リスコミ)のあり方を議論した. 米国では, FDA改革法で, 患者・消費者への医薬品安全性情報の提供強化, リスコミ諮問委員会設置, インターネットによる医薬品情報のアクセス改善が定められた. わが国でも, 平成22年4月にまとめられた「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」最終提言においても, 医薬品安全性のリスコミが取り上げられ喫緊の課題となっている. 患者・消費者が持つ医薬品に対するベネフィットの期待と, マスメディア等が扱う副作用・訴訟の報道との齟齬は, 医療に対する社会の認識を不安定でバランスを欠いたものとする危険性がある. 本シンポジウムでは, 薬剤師(山本), 医師(中山)等の医療関係者に加え, 行政関係者(広瀬), マスコミ関係者(小島)の複眼的視点から, 望ましい医薬品安全性情報に関するリスコミのあり方の議論をお願いした. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.132.531 |