身体位置関係の認識と立位姿勢バランス能力の関連性

[目的]身体位置関係の認識と立位姿勢バランス能力の関連性を明らかにすることである。[対象]健常成人32名(平均年齢25.2±1.9歳,男性21名,女性11名)とした。[方法]立位で一側下肢を挙上し,大転子と膝蓋骨,膝蓋骨と外果,外果と大転子の矢状面での前後の位置関係の距離を認識した課題を課し,実際の距離との誤差を測定した。各部位の距離の誤差を合計したものを身体位置関係の認識誤差合計とした。立位姿勢バランス能力測定として閉眼片脚立位時間と重心動揺(アニマ社製ツイングラビコーダG6100使用)を測定した。重心動揺測定は32名の内20名に行った。重心動揺データは総軌跡長を用いた。身体位置関係の認識誤...

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Published in理学療法科学 Vol. 24; no. 2; pp. 257 - 262
Main Authors 森岡, 周, 川崎, 翼
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2009
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.24.257

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Summary:[目的]身体位置関係の認識と立位姿勢バランス能力の関連性を明らかにすることである。[対象]健常成人32名(平均年齢25.2±1.9歳,男性21名,女性11名)とした。[方法]立位で一側下肢を挙上し,大転子と膝蓋骨,膝蓋骨と外果,外果と大転子の矢状面での前後の位置関係の距離を認識した課題を課し,実際の距離との誤差を測定した。各部位の距離の誤差を合計したものを身体位置関係の認識誤差合計とした。立位姿勢バランス能力測定として閉眼片脚立位時間と重心動揺(アニマ社製ツイングラビコーダG6100使用)を測定した。重心動揺測定は32名の内20名に行った。重心動揺データは総軌跡長を用いた。身体位置関係の認識誤差合計と閉眼片脚立位時間,総軌跡長の関連性をピアソン相関係数を用いてそれぞれ検討した。[結果]閉眼片脚立位時間と身体位置関係の認識誤差に有意な負の相関(r=-0.58,p<0.01)が認められた。総軌跡長と身体位置関係の認識に有意な正の相関(r=0.65,p<0.01)が認められた。又,大転子-外果間において,身体位置関係の認識誤差と閉眼片脚立位時間に有意な負の相関(r=-0.56,p<0.01)が認められ,身体位置関係の認識誤差と総軌跡長に有意な正の相関(r=0.53,p<0.05)が認められた。[考察]結果から,身体位置関係の認識が立位姿勢バランスの関連することが示唆された。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.24.257