前十字靭帯損傷患者の股関節形態が股関節筋力および膝関節外反角度に及ぼす影響

〔目的〕非接触型の前十字靭帯(ACL)損傷者における股関節の形態が,股関節周囲筋および膝外反角に及ぼす影響を検討した.〔対象と方法〕ACL損傷者20名と対照群20名を対象とした.両股関節正面レントゲン像にて,股関節骨形態と骨盤傾斜角を測定した.股関節周囲筋は主動作筋力/拮抗筋力で評価した.膝関節外反角の測定は,片脚スクワット時の膝関節屈曲60°の肢位で計測した.〔結果〕股関節周囲筋と膝外反角は,群間に差がなかった.ACL損傷群はAcetabular-Head Indexが有意に小さく,骨盤後方傾斜角は有意に大きかった.そのため股関節不安定性があると考えられた.〔結論〕骨盤後方傾斜角の増加に従い...

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Published in理学療法科学 Vol. 37; no. 1; pp. 65 - 70
Main Authors 森内, 宏充, 西島, 吉典, 福山, 友見, 熊田, 仁, 藤田, 晃史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2022
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.37.65

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Summary:〔目的〕非接触型の前十字靭帯(ACL)損傷者における股関節の形態が,股関節周囲筋および膝外反角に及ぼす影響を検討した.〔対象と方法〕ACL損傷者20名と対照群20名を対象とした.両股関節正面レントゲン像にて,股関節骨形態と骨盤傾斜角を測定した.股関節周囲筋は主動作筋力/拮抗筋力で評価した.膝関節外反角の測定は,片脚スクワット時の膝関節屈曲60°の肢位で計測した.〔結果〕股関節周囲筋と膝外反角は,群間に差がなかった.ACL損傷群はAcetabular-Head Indexが有意に小さく,骨盤後方傾斜角は有意に大きかった.そのため股関節不安定性があると考えられた.〔結論〕骨盤後方傾斜角の増加に従い股関節外旋/内旋筋力の減少を認め,この主動作筋/拮抗筋比率の不良がACL損傷の受傷肢位を助長すると考えられた.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.37.65