家族性腫瘍の遺伝子診断研究における説明文書・同意書の作成

遺伝性乳がんをモデルケースとして,遺伝子診断研究を実施する際に必要な,被検者への研究参加の依頼から結果の説明,家族への説明までの手順および説明の際に用いる説明文書・同意書を開発し,遺伝子診断の対象となった乳がん患者5 人による予備的な評価を得た.説明文書・同意書は,遺伝性乳がんの疑われる患者本人用,遺伝子診断の結果開示用,家族・親戚用の3 種を作成した.患者本人用の説明文書は,説明を行なう医師への注意,研究への協力依頼(3 ページ),内容の説明(6 ページ)の3 部で構成した.また,同意文書は,家族への情報開示や血液の他研究への利用についてそれぞれ諾否を得る書式とした.説明文書を読んだ患者は遺...

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Published in家族性腫瘍 Vol. 1; no. 2; pp. 55 - 62
Main Authors 野口, 眞三郎, 佐藤, 恵子, 恒松, 由記子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家族性腫瘍学会 2001
家族性腫瘍研究会
一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会
The Japanese Society for Hereditary Tumors
Subjects
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ISSN1346-1052
2189-6674
DOI10.18976/jsft.1.2_55

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Summary:遺伝性乳がんをモデルケースとして,遺伝子診断研究を実施する際に必要な,被検者への研究参加の依頼から結果の説明,家族への説明までの手順および説明の際に用いる説明文書・同意書を開発し,遺伝子診断の対象となった乳がん患者5 人による予備的な評価を得た.説明文書・同意書は,遺伝性乳がんの疑われる患者本人用,遺伝子診断の結果開示用,家族・親戚用の3 種を作成した.患者本人用の説明文書は,説明を行なう医師への注意,研究への協力依頼(3 ページ),内容の説明(6 ページ)の3 部で構成した.また,同意文書は,家族への情報開示や血液の他研究への利用についてそれぞれ諾否を得る書式とした.説明文書を読んだ患者は遺伝子診断への理解度が改善しており,説明文書が患者の遺伝子診断に対する理解を促進するのに有用であることが示された.
ISSN:1346-1052
2189-6674
DOI:10.18976/jsft.1.2_55