大学生におけるパーソナリティ,スマートフォン依存および 口腔保健行動に関する探索的研究:ネットワーク解析

近年,口腔保健行動に影響する因子として,パーソナリティやスマートフォン依存(以下,スマホ依存)などが指摘されている.しかし,それらの因果関係について詳細に検討した報告は認められない.そこで,本研究ではベイジアンネットワークを用いて口腔保健行動とスマホ依存ならびにパーソナリティの因果関係を検討することを目的に横断研究を実施した.調査対象は大学生463名であり,自記式質問紙を用いて口腔保健行動,スマホ依存およびパーソナリティを評価した.口腔保健行動の評価には,1日に歯を磨く頻度,就寝前の歯磨き忘れ,1日に間食をとる頻度,歯磨き指導の経験の有無および歯科定期健診の有無を用いた.スマホ依存の評価には,...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 74; no. 2; pp. 108 - 115
Main Authors 星野, 行孝, 白木, 光, 安細, 敏弘, 濱嵜, 朋子, 樋口, 行人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2024
日本口腔衛生学会
Subjects
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.74.2_108

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Summary:近年,口腔保健行動に影響する因子として,パーソナリティやスマートフォン依存(以下,スマホ依存)などが指摘されている.しかし,それらの因果関係について詳細に検討した報告は認められない.そこで,本研究ではベイジアンネットワークを用いて口腔保健行動とスマホ依存ならびにパーソナリティの因果関係を検討することを目的に横断研究を実施した.調査対象は大学生463名であり,自記式質問紙を用いて口腔保健行動,スマホ依存およびパーソナリティを評価した.口腔保健行動の評価には,1日に歯を磨く頻度,就寝前の歯磨き忘れ,1日に間食をとる頻度,歯磨き指導の経験の有無および歯科定期健診の有無を用いた.スマホ依存の評価には,Smartphone Addiction Scale-Short Version日本語版を用いた.パーソナリティの評価には,Ten Item Personality Inventory日本語版を用い,Big Five(開放性,勤勉性,外向性,協調性,神経症傾向)について評価した.統計解析として,性別,年齢,口腔保健行動,スマホ依存およびBig Fiveを変数とするベイジアンネットワークを用いて変数間の因果関係を評価した.本研究の結果,パーソナリティのうち,神経症傾向の高さおよび勤勉性の低さがスマホ依存を介して間食頻度と就寝前の歯磨き忘れの増加へ影響を与えていることがわかった.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.74.2_108