おかやま黒豚の成長、産肉および屠体形質の遺伝性と育種への応用について

「1. はじめに」これまで岡山県総合畜産センターでは, 1978年以来おかやま黒豚としてバークシャー純粋種を維持してきた. このバークシャー種の肉質は, 他品種と比べ筋繊維が細く, 保水性が良いという優れた特徴を持っている(NPPC, 1995). その肉質は日本の消費者に広く受け入れられ, その価格は一般的な豚肉よりも50%高く取引されている(Suzuki et al., 2003). 一方, バークシャー種の成長能力および産肉性は他品種に比べると劣っている点もみられることから, 今後より一層の改良が求められている. このような特徴をもつバークシャー種で系統維持されているおかやま黒豚は, 外...

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Published in動物遺伝育種研究 Vol. 40; no. 1; pp. 9 - 17
Main Authors 富山, 雅光, 森, 尚之, 金谷, 健史, 及川, 卓郎, 立川, 優子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本動物遺伝育種学会 2012
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ISSN1345-9961
1884-3883
DOI10.5924/abgri.40.9

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Summary:「1. はじめに」これまで岡山県総合畜産センターでは, 1978年以来おかやま黒豚としてバークシャー純粋種を維持してきた. このバークシャー種の肉質は, 他品種と比べ筋繊維が細く, 保水性が良いという優れた特徴を持っている(NPPC, 1995). その肉質は日本の消費者に広く受け入れられ, その価格は一般的な豚肉よりも50%高く取引されている(Suzuki et al., 2003). 一方, バークシャー種の成長能力および産肉性は他品種に比べると劣っている点もみられることから, 今後より一層の改良が求められている. このような特徴をもつバークシャー種で系統維持されているおかやま黒豚は, 外部集団からの種畜の導入を逐次行いながら, 2005年時点でおよそ種雄豚5頭, 種雌豚20頭の繁殖用集団および600頭規模の子豚が飼養されている. 2005年時の肉豚としての年間出荷頭数は3,935頭であり, 岡山県全体の肉豚出荷頭数の6.0%に相当する.
ISSN:1345-9961
1884-3883
DOI:10.5924/abgri.40.9