形状と底屈制御機構の異なる装具が下垂足歩行立脚相における足関節モーメントに及ぼす影響

本研究の目的は,形状と底屈制御機構の異なる装具・継手が歩行中に発生する足関節モーメントを明らかにすることである。対象は,下肢関節可動域に制限の無い52歳男性で,局所麻酔剤により人工的に一時的な腓骨神経麻痺を生じさせた。装具は,Tamarack継手(L85)付きP-AFO(T85)と油圧制御継手付きP-AFO(GSD),および継手の無い靴べら式P-AFO(SHB)を使用し,これらと健常歩行および下垂足(DF)歩行を比較した。その結果,立脚初期では,SHBおよびT85は健常歩行と比較して大きなモーメントを発生し,GSDはDFと同程度であったことより,GSDは補助モーメントをほとんど発生していないと...

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Published in理学療法科学 Vol. 22; no. 4; pp. 445 - 448
Main Authors 江口, 淳子, 小原, 謙一, 伊勢, 眞樹, 植田, 幸一, 石浦, 佑一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2007
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.22.445

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Summary:本研究の目的は,形状と底屈制御機構の異なる装具・継手が歩行中に発生する足関節モーメントを明らかにすることである。対象は,下肢関節可動域に制限の無い52歳男性で,局所麻酔剤により人工的に一時的な腓骨神経麻痺を生じさせた。装具は,Tamarack継手(L85)付きP-AFO(T85)と油圧制御継手付きP-AFO(GSD),および継手の無い靴べら式P-AFO(SHB)を使用し,これらと健常歩行および下垂足(DF)歩行を比較した。その結果,立脚初期では,SHBおよびT85は健常歩行と比較して大きなモーメントを発生し,GSDはDFと同程度であったことより,GSDは補助モーメントをほとんど発生していないと考えた。これらの結果は,継手の機能を最大限に発揮させるためには,足板が踵部からMP関節部までを覆うことで反力によるモーメントを足継手に伝えることが重要であることを示唆していた。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.22.445