歯磨き練習モジュールの開発と自己学習の教育教材としての提案

筆者らは,限られた学習時間で脆弱な口腔内のブラッシング介助技術の習得を可能にする新たな教育機材が必要であると考え,脆弱な口腔環境を再現しつつコンパクトで自習が可能な歯磨き練習モジュール(tooth brushing practice(TBP) module:以下TBP)を開発した.12名の看護学生を被験者として,TBPと,歯科衛生士養成教育機関等で用いられている既存の高性能実習用模型の比較実験を行い有用性を検証した.実験では磨き残し(PCRスコア),ブラッシング所要時間およびブラッシング圧の適正値超過頻度を観察した.TBPの使用感についてはVAS(Visual Analogue Scale)で...

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Published in人間工学 Vol. 55; no. 4; pp. 126 - 132
Main Authors 松井, 恭平, 麻賀, 多美代, 今井, 宏美, 三澤, 哲夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人間工学会 15.08.2019
日本人間工学会
Subjects
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ISSN0549-4974
1884-2844
DOI10.5100/jje.55.126

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Summary:筆者らは,限られた学習時間で脆弱な口腔内のブラッシング介助技術の習得を可能にする新たな教育機材が必要であると考え,脆弱な口腔環境を再現しつつコンパクトで自習が可能な歯磨き練習モジュール(tooth brushing practice(TBP) module:以下TBP)を開発した.12名の看護学生を被験者として,TBPと,歯科衛生士養成教育機関等で用いられている既存の高性能実習用模型の比較実験を行い有用性を検証した.実験では磨き残し(PCRスコア),ブラッシング所要時間およびブラッシング圧の適正値超過頻度を観察した.TBPの使用感についてはVAS(Visual Analogue Scale)で評価した.その結果,PCRスコアとブラッシング圧の適正値超過頻度は,TBPの方が有意に低かった.使用感については,TBPが自習しやすさの項目で評価が有意に高かった.以上から,新たに開発したTBPは既存の高性能実習用模型と同程度の性能を有し,自己学習の教育機材としての有用性も示唆されたものと考える.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.55.126